何故かお坊さんと仲良くなった。
何故だ。
「お、ジョン。おまえも今から行くのか?」
『ぁ、えぇ、まぁ。』
学校に行く途中でお坊さんに会った。
いろいろ話した。
なんか仲良くなった。
うん?なんで?
『滝川さんは、お坊さんやっとるんですよね?』
「あーまぁな。」
『ほな、なんで髪剃らないんどす?』
ずっと聞いてみたかったことを聞いたら笑顔でスルーされた。
ちょっとせつなかった。あ、嘘。すごくせつなかった。
聞きたかったのに!
そして今日はなんと巫女さんのお祓いの日!
きゃっふい!日本のお祓いだぜ!
あいらぶにっぽん!
巫女さん姿になった松崎さんを目をハートにさせながらうっとりと見る。
『はぁ…!』
「…そんな見惚れることか?」
『いや、だって!……巫女さん姿いうんは、いいもんや。あぁ、でもやっぱり一番ええのは着物やろな。着物美人いうんはほんまええです。この前なぁ、京都行ったときも、えかったですわ。』
ちょっと素で語りそうになったのを我慢してちょっと控えめに日本を語る。
本当はもっと語りたいんだよ?
ほんと、日本っていいよね。もうさ、京都とかなにこれ着物最高!ってなった!あれだよね!日本人はやっぱり着物!着物だよね!さいっっっこう!京美人とかさ!大和撫子とか!最近、大和撫子は見ないって言うけど、いるよ!だって見たもん!私がちょーっと転んだらハンカチ持ってきてくれる着物お姉さん!ちなみに私がジョンの姿の時は、いろんなお姉さんが私に奢ったりなんかりしてくれて最高!
そんな爆弾トークしたいんだよ?
でも、やっぱり自重しないとな、って思ってこんな控えめなんだから!
隣りでちょっと滝川さんが引いてたとか知らない!
「あつまりたまえ よものかみがみ なむほんぞん かいまりしてん らいりん えこうきこう しゅごしたまえーーー…」
松崎さんが祝詞を唱えるのをうっとりと見つめる。
すごーい。やっぱりいいよね!巫女さん!
てか、松崎さん綺麗!
……いつもその格好してればいいのに。のに。
とか思いながら、見終わって辺りを見渡すといつの間にか、隣りにジーンがいた。
あれ?なんで?
『……どうも?』
「あの、ぼくジョンさんに聞きたいこと…パンッ!!!
ジーンが何か話そうとした途端に、窓ガラスが割れた。
驚いてそちらを見ると、松崎さんと校長先生にガラスが当たっていた。
「心配ありませんわ…だって。除霊なんてできてないじゃない。校長先生にケガまでさせちゃって。」
三つ編み少女が松崎さんを見ながら、見下したように言う。
それに対し、着物美人な原さんが幽霊なんていないのよオホホ的なことを言って女子三人で喧嘩に発展。
やだ恐い。
てゆか、三つ編み少女じゃないか。
この最終的な話の原因。
恐いわー。わー。
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bkm