原作?なにそれおいしいの? 2


今日も廊下から聞こえる声に誰にもバレないようにため息を吐く。


「夾!由希と喧嘩しちゃダメって言ったでしょ!」
「うっせー!!別にお前に関係ねぇだろーが!!!」
「あるもん!私だって夾のこと心配なんだよ?」
「っ、」


そう言いながら女の方が扉をガラッと開けると見えたのは顔を真っ赤にした草摩夾だった。

それを見たとたんに私は俯いてプルプルと肩を震わす。


『wwww』


まじワロスwww
顔赤くするとかwww

これは退屈な私のために神様がくれたのですね。わかります。

笑いを堪えきれずに、口を押さえながら俯いてプルプルと身体を震わせていると、上から私の親友の声が降ってきた。


「名前君なに笑ってるの…?」
「1人で笑ってんなよなー。」
『!はなちゃん!うおちゃん!おはようございます。』
「「おはよう。」」


私の親友ーーはなちゃんとうおちゃんに笑顔で挨拶する。もちろん、その時に透のように敬語を使うことも忘れない。
すると、うおちゃんは私の前の席にドカッと座り、はなちゃんは私の髪を弄り始めた。


「それにしても…毎度毎度よくやるよなぁ。」
「そうね…きっと、無駄なことを繰り返すことが好きなのよ。」
「馬鹿の一つ覚えってやつか。」
『やだ、私の友達がすごく毒舌ww』


バシバシと机を叩きながら机にうつ伏せになる。今はみんなあの二人に夢中で見てないから大丈夫。うん。

それよりはなちゃんとうおちゃんがこんな毒舌だなんて珍しいわ。
いつもはすごく優しいのに。


「名前君はそんな私たち…いや?」
『うーうん!大好き!』
「〜〜〜マジあたしの名前可愛い!」
『わぉ、私もうおちゃん可愛いと思うよ!』
「あら、名前の可愛さには負けるわ。」
『そんなこと言うはなちゃんも素敵…!』


ぎゅーっと私を抱え込むように抱き締める二人可愛すぎる。
私のお嫁さんになってほしいわwww


『ね、はなちゃん。元宮さんの電波ってどんな感じー?』


クルクル私の髪を昔の貴族風にするはなちゃんにクスクス笑いながらそう聞く。
すると、はなちゃんは私の髪をいじるのを止めて、考えるように頬に手を当てた。


「そうね…元宮さんの電波は私たちと違う…。違う世界から来たみたいだわ…」
「あたしもそう思う。なーんか違和感感じんだよな。…ま、違う世界から来たは言い過ぎだけど。」
『そっかー。』


勘のいい二人に苦笑。
元宮羽衣。あの子は私と同じ世界から来た人。
なんで知ってるかって?
それはもちろん、私の高校の時の元クラスメイトだったから。
ちなみにトリップするとか言ってイタイ子だったから友達いなかったよwww
私なんて元宮さんでスレ立てたからwww
タイトルは、【私のクラスに夢見る少女wwがいるんだがどうしようwww】

なんで気付いたかっていうと、名前は変わってないからかなぁ。顔は思いっきり変わってたよ。
前は太ってて顔がニキビだらけだったのに今はもろ美少女ww劇的ビフォーアフターだよww
まあ、私には関係ないんだけどね。

そんなことを考えながら話していると、はなちゃんが何かを思い出したように髪を弄りながら話し始めた。


「そういえば…恵が最近名前君に会ってないって寂しがってたわよ。」
『ほんとー?じゃ、今度会いに行くねー!』
「そうしてくれると嬉しいわ。」


クスリと妖艶に微笑むはなちゃんはやっぱり綺麗。


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bkm
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