プルルル、私の部屋に電話の音が鳴り響いた。
ガチャリと受話器を手に取る。
『はぁい!もしもーしー?…えぇ?除霊?…ふーん。了解いたしましたー!お任せくださいね!See you!』
この電話が物語の始まりだったことに、私は気が付かない。
うーん。校門…ってか、学校って時点でイヤな予感はしてたんだよねー…
「やぁ、おそろいですな。もうひと方お着きになりましてね。、ジョン・ブラウンさん。仲良くやってくださいよ。」
校長に四人組の場所へ案内され、紹介されたので、ニコリと笑う。
原作だって気付かないで依頼受けちゃったよ。てへぺろ。
うーん、ここはジョンらしくあいさつしたほうがいいのかしら?かしら?
うん。校長いるし、ジョン風あいさつしとこ。
てか、今思えば、私ってばジョンだった!
『もうかりまっか。』
ニコッと笑ってから頭を下げた。
『ブラウンいいます。あんじょうかわいがっとくれやす。』
「その、ブラウンさんは関西のほうで日本語を学んだようで…」
その時のみんなの反応に爆笑しそうになった。
ちなみに関西のほうでいろいろ学んだのは嘘じゃない。
だって日本!って言ったら京都でしよう!奈良でしょう!ビバ京美人!着物!
「それじゃ、わたしは、」
『おおきにさんどす。』
去って行く校長に頭を下げて私は四人組の方に顔を向けた。
……ん?あれ?ナルってこんな顔だったけ…?
なんか見たことある。ってか、私が結構前に助けた少年にそっくり。
『……あっちゃー。』
あれって、ジーンか。
気づかなかったわ。
「…ブラウンさん?どちらからいらしたんですか?」
原作最初から壊しっちゃったよ!やばっ!
とか考えていたら、横でナルさんに話しかけられたので、ニコッと笑って愛想よく答える。
『へぇ。ボクはオーストラリアからおこしやしたんどす。』
「おいっボウズ!頼むからそのへんな京都弁やめてくれ!!」
爆笑してるお坊さんに言われ、キョトンとする。
え、私の京都弁のどこが変なんだ!
東京出身の私が頑張って覚えたんだぞ!
…あ、今はオーストラリア出身だった。てへぺろ。
京都弁、京都弁いいよね。
和が感じられるわ。
「京都弁は方言の一種!悪いこたいわないからまめろ!な?」
『はぁ。』
そんなに京都弁はダメなんだ…。
ジョン!京都弁ダメって言われたらアレしかないよね!
私は、私は…大阪弁突き通す!
ま、これが終わったらこいつらと関わる気ないし。
私の名前も言う必要もないしー。
『そやったらええわ。あんさんら、全部が霊能者でっか?』
「そんなものかな。…君は?」
『へぇ。ボクはエクソシストいうやつです。』
私の言葉に大笑いしていたお坊さんと巫女さんの笑いが止まった。
それにしても、笑うなんて失礼だよね!
大阪弁も京都弁もいいじゃない!
着物もいいじゃない!むしろビバ日本文化!
「たしかあれはカトリックの司祭以上でないとできないと思ったが……、ずいぶん若い司祭だね。」
『よくご存知で。せやけど、ボクはもう十九でんがな。若う見られてかなわんわぁ。』
クスクスと笑うと、みんなが驚いたのがわかった。
ジョン、私ってば関わる気ないのに、この人らと関わっちゃったよ。
でもさ、今回だけにするから許してね。
prev next
bkm