I need you! 16


とうとうルフィくんたちが出発する日。
あれ以来、ルフィくんとは会ってない。

……とゆーか、私が避けてる。だって、会う度に仲間になれ!なんて言わせてたら、諦められるものも諦められないしね。

あれから会ったのはウソップくんだけ。
ウソップくんは、無理すんなよ、なんて私を労わってくれるいい人でした。
こんないい人がいるなんてナミも安心。


今日はベルメールさんに、どうせ最後なら見送りくらいちゃんとしろ!って言われたので、見送りにきた。

あんまり気が進まなかったけど、まあ、しょうがないよね。


……うん。でも、それが間違いだったのかな。

なんで、

「じゃあ、ナマエとナミをよろしく。麦わらくん!」
「おぅ!任せろ!」
『…………あれ?』


私は船に乗ってルフィくんに拘束されてるんだろ。


『えーっと……、』
「ナマエ、頑張りなさいよ!」
『いや、あの…』
「今日からおれの仲間だ!」
『えー…』


もしかして、私ってハメられた?

ニコニコといい笑顔のベルメールさんと、これまた素晴らしい笑顔のルフィくん。そして、私と目を合わせてくれないゲンさん。

えー…

クルリと後ろを向いて、ウソップくんとゾロくんとサンジくんを見る。

目を逸らされた。

えー…

ここまできたら、腹を括るしかないのかなぁ…
行くつもりはなかったんだけど…


「船を出せ!!!!」


そんなこと考えていると、ナミの大きな声が全体に響く。


「走り出したぞ!!?何のつもりだ!?」
「船を出せってよ……とにかく出すか。」
『え、』
「帆をはれ!!!」


私、完璧スルー。

スタンとナミが船に乗る。
いまだに私は拘束されたまま。

ナミは船に乗ると、ドサドサと服からたくさんのサイフを落とした。


「あ!!?あれ!?サイフがないぞ!!?」
「おれもだ!」
「わしのも!!」
「私も!!」

「みんな、元気でな!」


ニコッと笑うナミは可愛い、可愛いけど…


「「やりやがった あのガキャーーーッ!!!」」

『私、こんな子に育てた覚えない…』
「おい。変わってねェぞ、コイツ。」
「また、いつ裏切ることか。」
「ナミさん グーッ!!」
「だっはっはっ」


ルフィくんから解放されて、私はナミに近寄って甲板の方へ向かう。
村の人たちが全員いる。

みんなが口々に優しい言葉をかけてくれる。
私はこの村が大好き。


ノジコ、ごめんね。
私は今日この村を出る。


最後に旅立ちの唄を貴方に捧げた。


ありがとう。ノジコ。
私、貴方になってしまって苦しかった。
けどね、それと同時に優しい人たちに触れて、すごく幸せだったの。
ううん。これからも、きっと幸せになれる。

貴方の“生”を奪ってしまったこと、私は忘れない。

一生貴方に感謝を捧げる。


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bkm
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