I need you! 14


みんなの笑い声が島全体に響く。久しぶりに聞く笑い声に私も自然と笑みを浮かべる。

私も幸せ。

でもね、幸せなんだけどね?

『ルフィくん、離してくれないかなぁ?』
「イヤだ!」


なんで私はいまだにルフィくんに拘束されてんるんだろう。

まあ、恥ずかしいだけで特になんにもないので放っておく。


『あ、ナミー』


キョロキョロとしているナミが目に入ったので、手を大きく振って名前を呼ぶ。

すると、目が合ったナミは何故か素晴らしい笑顔だった。

…うん?なんで?


「なんで、ナマエの身体にルフィの腕が巻き付いてんだ、あぁ?」
『ナミ、顔。顔が、』


近付いてきたと思ったら、すごい笑顔でルフィくんの頭をガシリと手で掴む。

どうしよう…ナミが怖い……、


「俺のだ!」
「違ぇよ!おれのだ!」
『どっちも違うよ?!』


てゆか、お姉ちゃんを自分のもの発言する弟が心配ですよ!?


「だって、こいつはおれの仲間になんだぞ!だからおれのだ!!」
「ちげぇよ!お前の仲間になっても、ナマエは俺のだよ!」
「ナマエさんは誰のものでもねぇだろうが!」

『あ、サンジくん。』


二人の争いに誰かが入ってきたと思ったら、それはサンジくんでした。

……一番の女好きが一番まともだなんて。
この先、麦わら海賊団は大丈夫なのかな…。


「「お前は黙ってろ!」」
「『……………』」


二人で声を揃えてサンジくんに言う。

なんだか、サンジくんがかわいそう……、

それにしても、ウソップくんとゾロくんはどうしたんだろう。
二人がいれば、まだ収集つきそうなんだけどな。

そんなことを思って、キョロキョロとしていると、村の中央にウソップくん発見。
ゾロくんは見当たらない。まあ、きっとお酒でも飲んでるんだと思うんだけど…


「あ、忘れてた。」
『?なんかあったの?』


ナミがルフィくんとの口論を終えて、クルリと私を振り返る。
ちなみに、サンジくんも何故か口論に参加していました。まあ、ナミには強く言えないようだったけど。

……なんだか、サンジくんには本当に悪いことしちゃった気がする。


「俺らの刺青。ドクターが違うの入れてくれるってよ。それ言いに来たんだった。」
『本当?じゃあ、早く行かないと。』


ナミの言葉に立ち上がろうとするけど、何故かさらに強くルフィくんに抱きしめられる。

えっと……、

『ルフィくん、離してくれないかな。』
「いーやーだー!」


まるで子どものように駄々をこねるルフィくんに苦笑い。
弟みたいで可愛いんだけどね。

でも、ちょっと、

『く、苦しいかなぁ…、』
「なー、一緒に海に行こうぜ!」
『えーっと、だから、』
「メシも美味いぞ!」
『あの、』
「ウソップがいるから退屈しねーしよ!」
『え、』
「仲間になるよな!」

「……やかましい!!」

ガンッ

とうとうナミの拳がルフィくんの頭に落ちた。
ルフィくんの頭に大きなコブ。

あぁ…痛そう……、


「行くぞ!ナマエ!」
『あ、うん。』


ちょっとだけルフィくんがかわいそうになったけど、今のうちにルフィくんの腕から逃げないと、絶対に離れそうにないので、ルフィくんの頭を一度だけ撫でてから、私はナミとドクターの家に行くことにした。



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