みんなの笑い声が島全体に響く。久しぶりに聞く笑い声に私も自然と笑みを浮かべる。
私も幸せ。
でもね、幸せなんだけどね?
『ルフィくん、離してくれないかなぁ?』
「イヤだ!」
なんで私はいまだにルフィくんに拘束されてんるんだろう。
まあ、恥ずかしいだけで特になんにもないので放っておく。
『あ、ナミー』
キョロキョロとしているナミが目に入ったので、手を大きく振って名前を呼ぶ。
すると、目が合ったナミは何故か素晴らしい笑顔だった。
…うん?なんで?
「なんで、ナマエの身体にルフィの腕が巻き付いてんだ、あぁ?」
『ナミ、顔。顔が、』
近付いてきたと思ったら、すごい笑顔でルフィくんの頭をガシリと手で掴む。
どうしよう…ナミが怖い……、
「俺のだ!」
「違ぇよ!おれのだ!」
『どっちも違うよ?!』
てゆか、お姉ちゃんを自分のもの発言する弟が心配ですよ!?
「だって、こいつはおれの仲間になんだぞ!だからおれのだ!!」
「ちげぇよ!お前の仲間になっても、ナマエは俺のだよ!」
「ナマエさんは誰のものでもねぇだろうが!」
『あ、サンジくん。』
二人の争いに誰かが入ってきたと思ったら、それはサンジくんでした。
……一番の女好きが一番まともだなんて。
この先、麦わら海賊団は大丈夫なのかな…。
「「お前は黙ってろ!」」
「『……………』」
二人で声を揃えてサンジくんに言う。
なんだか、サンジくんがかわいそう……、
それにしても、ウソップくんとゾロくんはどうしたんだろう。
二人がいれば、まだ収集つきそうなんだけどな。
そんなことを思って、キョロキョロとしていると、村の中央にウソップくん発見。
ゾロくんは見当たらない。まあ、きっとお酒でも飲んでるんだと思うんだけど…
「あ、忘れてた。」
『?なんかあったの?』
ナミがルフィくんとの口論を終えて、クルリと私を振り返る。
ちなみに、サンジくんも何故か口論に参加していました。まあ、ナミには強く言えないようだったけど。
……なんだか、サンジくんには本当に悪いことしちゃった気がする。
「俺らの刺青。ドクターが違うの入れてくれるってよ。それ言いに来たんだった。」
『本当?じゃあ、早く行かないと。』
ナミの言葉に立ち上がろうとするけど、何故かさらに強くルフィくんに抱きしめられる。
えっと……、
『ルフィくん、離してくれないかな。』
「いーやーだー!」
まるで子どものように駄々をこねるルフィくんに苦笑い。
弟みたいで可愛いんだけどね。
でも、ちょっと、
『く、苦しいかなぁ…、』
「なー、一緒に海に行こうぜ!」
『えーっと、だから、』
「メシも美味いぞ!」
『あの、』
「ウソップがいるから退屈しねーしよ!」
『え、』
「仲間になるよな!」
「……やかましい!!」
ガンッ
とうとうナミの拳がルフィくんの頭に落ちた。
ルフィくんの頭に大きなコブ。
あぁ…痛そう……、
「行くぞ!ナマエ!」
『あ、うん。』
ちょっとだけルフィくんがかわいそうになったけど、今のうちにルフィくんの腕から逃げないと、絶対に離れそうにないので、ルフィくんの頭を一度だけ撫でてから、私はナミとドクターの家に行くことにした。
prev next
bkm