ドクターの家から出ると、そこには長鼻くんとコックさんがたむろっていた。
フワフワ笑いながら、二人に近付く。
すると、私が近付く前にくるくるしたコックさんが私にひざまずいた。
「あぁ、麗しの君。おれの心はもうあなたの虜です。おれに、あなたのお名前を教えてはいただけませんか?」
私の手を取りながらそう言うコックさんが、面白くてクスクスと笑う。
ちなみにその後ろでは、長鼻くんがまたかよ…みたいな顔をしててまた面白かった。
『あはは…私はナマエっていうの。ナミの姉です。』
「なんと!ナミさんのお姉様でしたか…!やはり姉妹そろってお美しい!お母様もお綺麗でした。」
『あははは!ナミ、美しいだって!よかったね!』
その言葉に我慢できなくてお腹を抱えて笑う。
後ろを見ると、ナミがすごーくイヤそうな顔をして立っていた。
「……な、みさん、?」
「サンジ、残念だったな。俺は男だ。」
『あ、長鼻くんの名前はなんていうのー?』
「あ、おれは勇敢なる海の戦士ウソップだ!」
『そーなんだぁ。よろしくお願いします。ウソップくんは、ナミが男なことに驚かないの?』
「おれはアーロンパークで見たからな。」
『あぁ。そういえばそうだね。』
サンジくんが打ちひしがれて涙を滝のように流してる横で、私はクスクス笑いながらウソップくんに話しかけた。
やっぱり麦わら海賊団のみんなは面白いなぁ。
「ついでに言っとくけどな、ナマエは俺のだからな。誰にも渡さねぇよ。」
『だからナミ。シスコンだと彼女できないよ?』
「シスコンじゃねぇよ!」
ちょっとナミの将来が心配になった。
でも、ノジコの代わりに立派な子に育てようってまた決心できたからいいと思う。
『サンジくん。ナミのことごめんね?半分は私のせいだから…』
「お、お姉様…!」
「…ナマエ、お前はベルメールさんに用があんだろ?行ってこいよ。」
『うん。ありがとう。』
ポンポンと頭を撫でたナミに、笑顔を向けて私はベルメールさんのもとに急ごうとした。
あ、そのまえに、
『アーロンたちを倒してくれてありがとね!ナミをよろしくお願いします!』
にっこり笑いかけてから、今度こそ私はベルメールさんのもとに急いだ。
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bkm