泣く泣く私はナミを男の姿に戻した。
女の姿のほうが可愛いのにな。もったいない。
「ナミは男だったのか?」
「あぁ。…騙してて悪いな。」
「別に気にしねぇ!どっちにしろナミはナミだろ?うちの航海士だ!」
シシシ、と笑うルフィくんにほっこりと胸が温かくなる。
うんうん。本当にナミはいい人見つけたね。
私も一安心です。
『あ、じゃあ、私は邪魔しちゃ悪いし、まだ挨拶してない人もいるからもう行くね?』
「やだ!」
『え、』
「おれの仲間になるまで離さねぇ!」
グルグルと私の身体にルフィくんの腕が巻きつく。
え、これ、どうしよう。
チラリとナミを見ると、
あ、ダメだ。
「おい、ルフィ。てめぇ、俺のナマエに気安く触んじゃねぇ。」
「?」
ギラリと、ルフィくんを睨みつけるナミ。
ナミはシスコンで困る。
好かれてることに悪い気はしないけど…
やっぱり、健全な男の子に育って欲しかったな。
『ナミ!シスコン発揮しないで!』
「俺はシスコンじゃねぇよ!」
『(シスコンだと思うよ?)』
とりあえず、ベルメールさんに逢ったらチクろうと思った。
どうどうとナミを落ち着かせてから、いまだに私の身体に腕を巻きつけてるルフィくんと向き合う。
「やっと終わったか?」
『(半分以上ルフィくんのせいなのに!)……うん、まあ、いいや。それでね?仲間になるって話はちょっと待っててね。私も、ほら、いろいろあったから。ね?』
「イヤだ!仲間にする!」
そう言い張るルフィくんにたらりと冷や汗が出る。
これでも私は前世、ONE PIECEが好きだった。
だから、こう言い出したルフィくんが諦めが悪いことを識ってる。
とりあえず、うん。
しょうがないよね。
『ルフィくん、【離して。】』
「ん?」
『【それから私がいいって言うまで待て。】』
それからニコッと笑うと、ドクターの家を出た。
後ろでルフィくんがなにか叫んでたけど、知らないフリ。
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bkm