I need you! 10


長い髪を赤いリボンで一つに縛って、私は私たちを解放してくれた彼らのもとへ歩く。

向かっている途中でみんなが挨拶してくれたことに心が温かくなった。

ドクターの診療所の近くまで行くと叫び声が聞こえたので、ちょっとだけ走る。


『ドクター!』
「ん?ナマエ!どうしたんじゃ?」
『それよりも、そのままじゃその人すごく痛いよ。』
「しょうがないじゃろう。他の奴らで麻酔はいっぱいいっぱいだったんじゃ。」


その言葉にポンと手を打つと、治療を受けてる剣士さんに能力を使った。


『ねぇ、……【痛みは感じないよ。】だから安心して治療うけてね。』
「……は、」


ニコッと笑って私は、船長さんの前に立つ。


『船長さん、ナミを助けてくれてありがとうございます。』
「んん?おめぇ誰だ?」
『私はナマエ。ナミの、お姉ちゃんだよ。』


ニコリと笑って言うと、船長さんも二カッと笑ってくれた。

優しい人。温かい笑顔。


「おれはルフィ!海賊王になる男だ!」
『ふふ…ルフィくん、本当にありがとう。貴方のおかげで私もアーロンから解放されたの。感謝してもしきれない。』


フワフワと笑いながら呟くように言った。
この人がいなかったら私は解放されなかったも同然。本当、良かった。

そんなことをぽやぽやと考えていると、身体に何かが巻きついた。


『…うん?どうしたの?』
「おまえ、おれの仲間になれ!」
『………うん?』

どうしてそうなるの?

とりあえず、ルフィくんを宥めて私から腕を離してもらう。
さすがに私も恥ずかしい。


『あのね私、ナミに怒られちゃうから…』
「?ナミも仲間になるじゃねぇか。」
『あの、でも…、』
「いいからなろう!!!」


だ、ダメだ…!!
私じゃ、彼の自論に対抗できない…!!


「ナマエー?」
『な、ナミ…』
「……なにしてんだ?」
『ルフィくんが…、』
「こいつ、おれの仲間にする!!!」
『って…どうしよう…』


私の名前を呼びながら入ってきてくれたナミに泪目になりながら助けを求める。

誰でもいいからルフィくんをどうにかして…!


「あー…それよりもさ、俺にかけたのそのままだろ?解いてくんねぇ?一人うっせえのがいんだ。」
『…へ?ぁ…解くの忘れてた…!!』
「?なんの話だ?」


なんの話か。
ナミは男だ。だから、私が能力でナミが周りから女に見られるように言霊をかけた。

理由はナミが男じゃないと彼らに会わないと思ったから。

あぁ…!忘れてたよ…!!


『で、でも、今解いたら、』
「いいんだよ。俺が女のまま行ったらめんどくせーだろ?」
『ぅう…で、でも…』
「……それとも、なんだ?この姿のままヤるか?」
『なんでそんなこと言うの…!解く!解くから近付いてこないでぇぇえ!!!』


私の弟は立派なセクハラッ子になりました。
ベルメールさん、私が悪いのかなぁ…?
この弟をどうにかしてください。


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bkm
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