I need you! 6



ナミを追いかけてゲンさんの家に来た時だった。
一人男の人がすごい大声をあげて叫ぶ。


「海賊だァーーー!!!!」


その言葉が合図のように村全体が騒がしくなった。
それを聞いて、私はサッと顔を青くする。

今日だった。
ベルメールさんが死ぬのは今日だったんだ…!


「ナミ!!ナマエ!!ここは危険だ、裏の林へ!!」
「でも家にベルメールさんが…!!」


カンカンと頭の中で何かが鳴る。

私は、なにをしなくちゃいけない?
やることは一つだよね?
護らなくちゃ。

ダッとその場から走ってベルメールさんの家へ向かう。
間に合え間に合え、と祈りを込めて。

バンッと扉を開けると、そこは美味しそうな匂いで充満してた。
ベルメールさんは楽しそうで、


『ベルメールさんっ!!!』
「ん?ナマエお帰り!!今日の夕飯は『そんなことより逃げて!!!!!』……どうしたの?」
『お願いだから、早く早く逃げて!!!!!』


ハァハァと息を整えながらベルメールさんに叫ぶ。
とにかく叫んだ。逃げて、逃げてと。

でも、扉をノックする音が聞こえて、
まるでそれは死のサイレンよようだった。


「ナマエ、あんたはここにいなさい。」
『っ、いや…!』
「大丈夫よ。私は元軍人よ。死なないわ。」


そう言って微笑むベルメールさんに何も言えなくなった。
ボロボロと泪を零して、私は必死で声を押し殺す。
もしかしたら、そんな願いを込めて。

でも、それはただの祈りだった。

バキバキと何か硬いものが折れる音。
それに私の大好きな声が悲痛な叫び声をあげる。


やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて

私の、大切な人を殺さないで、


「『ベルメールさぁぁあんん!!!!!!』」


私とナミの声が重なる。
気が付けば、私たちは走ってベルメールさんのもとに向かっていた。

その間にも、私の中にあるなにかが叫んでいて、

私とナミをベルメールさんがギュッと抱きしめる。
手が痛いはずなのに、死にたくないはずなのに、


「この子達に手は出さないのよね…!?」
「勿論だ。てめェが大人しく死ねばな。」


ベルメールさんとアーロンが話しているのがガタガタと震える身体に入ってきた。


「誰か、誰か助けてェ!!!!」


ナミのその声を合図にみんなが戦闘を開始する。


『だめ、だめ、いやだよ、』


ブルブルとなにかが出たがってる。
開放して、って叫んでる。

アーロンの持っている銃がベルメールさんの額に当たった。


『ぁ…あ、や、やだ、いや、やめてぇえぇぇえぇぇぇぇええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!』


気が付いたら私は大声で叫んでいた。


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