かくれんぼ 17


とりあえず、子どもたちを家まで送れてよかった。

やっぱり、あの百足にやられた時の傷が疼く。
なんだか吐き気もするし…
毒、あったのかな。


「名前…?おめぇ、大丈夫かい?」
『っ、』
「顔色が悪いですね。」


だんだん身体から力が抜けていく。

フッと目の前が真っ暗になったとき、身体を包む温かい腕に安心して、私は静かに目を閉じた。


鯉伴Side

殺す。ぜってぇ、殺す。
オレの名前に傷つけたんだ。
見つけ出してブッ殺す。


『…はぁ…っ、…、』
「……」


オレの腕の中で苦しそうに息をする名前を横抱きにして、家の中に入る。

家の中に入ると、たくさんの妖怪たちが出迎えるが、それを無視して名前の部屋にまっすぐ向かう。

すると、雪麗さんが台所から出てきた。


「ちょっと…まちなさい、鯉伴!名前ちゃん、えらい顔色悪いじゃない…!あんた何食わせたのよ!?」


それを軽く無視して、名前の部屋の布団に名前をゆっくりとおろす。

それから、名前の着物をちょっと脱がすと、足を見る。
そこには、あの百足にやられたんだろう切り傷。ただし、そこは通常では、あり得ない色に変色していた。


「やっぱ百足の毒にやられたか…」
「毒!?」
「そこまで気丈にいらしてたのですが、倒れられて…、」


名前の足に母親から受け継いだ力を使う。
すると切り傷は消え、名前の顔色もよくなってきた。
それを見て、名前の頭を一撫でしてから、雪麗さんに名前を頼んで部屋を出る。


「おう二代目。」
「帰ったんならよんでくださいよ…話がーー…」
「あぁ…こっちも話がある…親父いるかい?貸元どもも呼んでくれや。」


オレの名前を傷付けたんだ。

いたぶっていたぶって、死にたいって思わせてやるよ。




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bkm
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