かくれんぼ 16


『危ない!』


私が着くと、清衛門くんが百足に襲われそうになっていて、咄嗟に清衛門くんを抱き締めてよける。

あぁ…、やってしまった。
怖い怖い怖い怖い、怖いよ…、

かばったひょうしに足の健のあたりを怪我してしまった。
ジクリと怪我をしたところがじんわりと熱を持つ。


「先生!?」
『っ、』
「名前様!!……!?」


清衛門くんを守るように抱き締める。

恐い恐い恐いよ、
死にたくない、死にたくない、死にたくないのに、

百足が集まったような妖に、震える身体を抑えるけど、身体はすごく正直で、震えは止まらない。

ぁ、来る……っ!

百足たちが私たちに襲いかかろうとした瞬間、目の前には彼の後ろ姿。
バッサバッサと彼の刀が百足たちを切り刻んでいく。


「まん?ばっ…」
「てめぇは、誰の女に手ェ出してると思ってんだ?」


私を守るように立ったその人は私の旦那様でした。


「よぉ、名前。息災かい」
『(シカト)清衛門くん、大丈夫だった?』
「は、はい、」


私になにも言わないで出歩いていた鯉伴には、フルシカトしたいと思います。

私だって、ちょっとはさみしいとか思ったり、思わなかったり…


「…………オイ、」
『………清衛門くん、早くお家帰ろうね。』
「鯉伴様、いったい今まで……、」


鯉伴がなんか低い声で言ってるけど、聞こえないフリ。

首無さんを見ると首無さんも百足を縛って退治していた。
なので首無さんの方に清衛門くんを連れて向かう。
すると、私たちに気付いた首無さんは、鯉伴に何かを言おうとして、途中で止まった。

きっと、それは鯉伴のせい。
だって感じるもん。
後ろから負のオーラが感じるもん。
恐い。


「おー首無……なんで今まで名前と一緒だったのか、詳しく教えてもらおうか。」
「っ、そ、そんな話してる場合じゃないだろ!」
「うるせぇなぁ。オレだって気付いてらァ。……この江戸からただれた匂いがしてやがるからな。」
『さて、じゃあ先生が送って行くから寄り道しないで帰ろうね。』
「「「「はーい!!」」」」


私の都合により、鯉伴はフルシカトでいきます。



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