彼の軌跡をなぞる私 12


私の物語の最終章まであと少し。
ロケット団のボスにあってひみつのコハクを手に入れた。その前には、サファリゾーンのポケモンを捕まえた。
ギャラちゃんが仲間になった。

ここまでは予定通りだった。


ふたご島 中央渓谷


『…半袖はちょっと寒いかも。』


木も草もみんな枯れてる森の中をブルリと震えながら歩く。
途中、ロケット団がいるのがわかった。

六個のモンスターボールからポケモンを出す。

ゴン、ピカ、ブイ、ニョロ、フッシー。
それからギャラちゃん。


ほんとは、ギャラちゃんを出すことは私的には心配。でも、レッドが出してたから。

大丈夫。ギャラちゃんは大丈夫。

そんなことを思いながら、みんなを見ると、ピカとフッシーとニョロが警戒するように後退る。
でも、ゴンとブイは興味があるらしく、ギャラちゃんを怖がってないようなので安心した。


『ピカたちはそんなに怖がらないで?ギャラちゃんはロケット団のせいで凶暴だったんだから。ね、ギャラちゃん。』


私の言葉にギャラちゃんが擦り寄ってくる。
それを撫でていると、後ろからベトベトンが襲いかかってきた。


『っ、』
《ピーー!》


ピカが私を庇おうとするところを、ギャラちゃんがそれよりも早くベトベトンを退ける。

それに加勢しそうにない三匹には、あとでお説教することを心に決めて、私はブイとゴンだけでギャラちゃんを加勢することに決めた。


『ゴン!』
《カビっ!》
『フリーザーを氷の中から出して!』


体の大きなゴンが氷の中に入ったフリーザーを出そうとドシドシと歩く。


「させるか!やれ!ベトベトン!」


それをロケット団が止めようと、ベトベトンがゴンの元へ向かう。


『止めて!ギャラちゃ…!』
《ガァァアァアァ……!!》


ギャラちゃんを呼ぼうとすると、ギャラちゃんの目は、ロケット団に実験台にされたときの目に戻ってる。

っ、私が、しっかりしないから…!


『ブイ、ギャラちゃんのきもち、分かるよね?』
《ブイッ!》


そのとき、ゴンがフリーザーの氷を壊した。

パァァア!と氷から出るフリーザーは輝いてて、綺麗で、

ロケット団には渡しちゃいけない。
ギャラちゃんのことは、私たちだけで解決しないと。フリーザーに力を使わせちゃダメだ。

キッと決意を込めた瞳でロケット団を仰ぎ見た。


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bkm
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