間に合ってます。 9


もう、いろいろ疲れた…

学校も終わって、引きこもりになろうかな、なんて思ってる私です。

美柑に癒してもらおう、と思いながら帰る準備をしていると、先生から恐ろしい言葉が聞こえた。


「あ、西連寺くん。キミ、学級委員だよね?ララくんに学校の部活の案内を頼みたいんだが。いい?」
「あ、ハイ。」


それフラグぅぅぅううう!!!


「僕は、西連寺 春。よろしくね。」
「よろしくー!」


………スルーでおーけー!
関わっちゃダメ。関わったら、私終了の合図だ。

とゆーわけで、そのまま帰ることにした。

うん。関わるとろくな事ないよね。

帰り道。


「あの…道に迷ってしまって…」
「また君かァ」


交番から聞き覚えのある声が聞こえてそちらに目を向ける。

……見なかったことにしたい。


『あの…、』
「名前?」


半泣きだったザスティンさんをほっとくことが出来なかった。
私ってお人好し…!





『へ?私に用事で地球に来たんですか?』
「ああ。」
『で、迷子になったと。』
「……ああ。」


どうしよう。ザスティンさんが可愛いです。
私、ザスティンさんとなら、付き合える。服の趣味は分かり合えそうにないけど。
ザスティンさんって、残念なイケメンってやつですよね。本当に。


『その用事ってなんですか?』
「名前、君にララ様のお父上、デビルーク王直々のメッセージを持ってきた。」
『ララの父親…』


イヤな予感しかしないです。
みかぁぁぁあんん!あなたのお姉ちゃんは変なことに巻き込まれそうですよぉぉおお!!助けてくださぁぁああいい!!


「かつて戦乱のただ中にあった銀河を統一し、頂点に立った偉大なお方だ。心して聴くように。」


聞きたくない聞きたくない×無限大


《…よォ、結城名前。》


恐ろしい声が、へんてこな機械から流れる。
耳を塞ぎたい行動をしたくなるのもしょうがないと思う。

だって怖いもん。


《ザスティンから話は聞いてるぜ。てめェをララの婚約者候補の一人として認めてやる。》


やめてぇぇええ!!認めないでぇぇええ!!!

なぁんて、超強いお方に私が言えるはずもなく。
私の意見はスルーでどんどん話が進んで行く。


《地球人は貧弱らしいがな…あのララが初めて好意を抱いた女だ。お前がどれほどの器なのか…オレは期待している。》


知ってますか?
過度な期待は精神的にくるんですよ。
現在進行形で、私の精神ズタボロですよ。ズッタズタのボッロボロですよ。

そして、横で犬に噛まれてるザスティンさんが気になって話に集中できない。


《いいか?てめェの存在は、すでに銀河中に知れ渡っている。他の婚約者候補どもも、遅かれ早かれ必ずお前のもとに現れるだろう。てめェは女だ。婚約者候補どもは、お前の貞操を奪おうとするだろうな…》
『は?』
《“婚姻の儀”は、女が夫以外の男に身を捧げてたら、成り立たねェ。もし、そいつらから自分の身を守り通すことが出来たら、てめェが銀河の女王だ。》
『え?』
《だが、もし他の男に貞操を奪われ、オレの期待を裏切ったならーー…その時はてめェの命、ちっぽけな惑星ごとぶっ潰す…!!覚えとけ。》


話 に つ い て い け な い YO !

え?狙われるのはララじゃない?ララじゃないの?まさかの私ですか?りありー?しかも私ってば、ララに貞操奪われるor知らない宇宙人に貞操奪われるの選択肢しかない?


「言っておくが王は本気だ。王の怒りに触れたものは、母星ごと破壊される。」
『えーっと、簡単に言うと?』
「すなわち、君が王の期待に背いた時、地球は跡形もなく消滅する!」


あ、地球消滅って選択肢もあった。

……結城名前、身体年齢十六歳、精神年齢秘密。
今日、地球の運命背負いました。


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bkm
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