間に合ってます。 8


『うぅ…私、もうお嫁に行けない…』


朝から絶望、結城名前ちゃんでっす☆

もうありえない。
あの男、ありえない。
大事なことなので、二回言いました。


「だーいじょーぶ!僕がお嫁さんに貰ってあげるから!」
『間に合ってるので結構です。』


隣りで全裸のララがなんか言ってるけど、適当に流しておーけー。

昨日、襲われかけたと思ったら、この人私の服を脱がして抱き枕にして寝やがりました。
下着だけは死守して着ていたのが、唯一の救いです。
全裸だったら死ねる。憤死します。


「名前の胸きもちーね!」
『ひっ、や、やめ、』
「あ、名前感じてるー。」

『〜〜〜っ!変態がぁぁぁああ!!』


とりあえず、ララは私に土下座したほうがいいと思う。





満身創痍になりながら学校に着いた私。
無理です。ララ無理。
なので、この連載はこれから【名前ちゃんのドキドキ!わーくわく!美柑とのお料理教室!】になります。

ご愛読ありがとうございました。なーむー。


「名前ー!なあに言ってんのよ!楽しくなってきたんだから!」
『壱ぃぃいい!!あなた!昨日から私のこと見捨ててますよね?!今さらなに言ってんですか!!』


なーむーと手を合わせていると、後ろから壱に抱き着かれたので、思わず突っ込む。

壱のその笑顔が逆に憎いぃぃいい!!


「だって〜。名前の乱れる姿見たいもん☆」
『あえて突っ込む。その手に持ってるカメラはなに。』
「名前専用のカ・メ・ラ(はぁと」


……ああ。はい。関わっちゃいけませんよね。わかります

唯一の友達の変態具合に、全私が涙しました。


「いやー、それにしたって、名前と美少年の絡みはいいわ!…で、本当のところどうなの?ガチでララくんとラブラブずっきゅんぎしあんしてるの?」
『事実無根です!ララは私のタイプじゃないこと、壱は知ってるでしょ!』
「まあね〜!名前のタイプは春くんだもんね。」


壱の視線の先には西連寺くん。
壱につられて西連寺くんを見ると、目が合った。

慌てて目を逸らして、机に突っ伏す。


「名前、顔赤い。」
『うぅ…』


この前のことを思い出すと、否が応でも顔が熱くなる。

タイプだから、よけいに恥ずかしい…!


「名前!」
『んぎゃっ!ら、ララ…』


壱とそんな女子高生らしい会話をしていると、後ろからギュッと抱き締められた。
犯人は変態ララ。
まあ、来たのがララだけならまだしも、何故か可愛らしい女の子を何人か連れて。

帰れ。頼むから帰ってください。宇宙の果てに!


「今日も僕とセックスしよっか!」
『間に合ってます。ほんと、お願いだから黙れ。』


しかも、抱き着いてきたと思ったら、ララくん爆弾発言。
うわぁあ、女の子視線痛いですよぉお!!
今日“も”って!まるで、私が昨日もララとそんなことしたみたいじゃないですか!馬鹿!


『変なこと言わないでください!』
「ええ?昨日僕と一緒に寝たの覚えてないの?」
『黙れぇぇえええ!!!』


ケラケラと笑ったララに殺意を感じた今日この頃。


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