間に合ってます。 6


『ん…ぅ…』
「名前、子作りしよ?」
『う?』
「かっわいー。食べちゃいたい。」


目を覚ますと、男体化ララさんが全裸で私の上に馬乗りになっていました。これは犯罪です。

泣きそうになりながらも、飛び起きてすぐさまララから離れる。


『な、なななんでベッドに潜り込んでるんですかぁぁあ!!』
「え?だって、名前といろいろシたいなと思って!」
『ひわぁぁあああいい!!』


この人卑猥だよぉぉおおお!!

その時、ガチャリ、


「………お邪魔しました。」


扉を開けた美柑がそのまま扉を閉めて出てった。

誤解ですぅぅううう!!


「あ。僕、今日は出かけなくちゃいけないんだった!」
『へ?』
「じゃあ、またね!名前。」


そう言って、奴は私のほっぺたにほっぺちゅーをすると、窓から飛び立った。


『わ……私の初ほっぺちゅーが…!!』


思わずおーあーるぜっとな形になりました。





気まずいって、この事を言うのですねわかります。

学校に行くと、日直だった私。
まあ、百歩譲ってそれはいいんですよ、それは。

べ、別にめんどくさいなんて思ってないんですからね!

問題は相手です。
なんで日直が西連寺くんと一緒なんですかぁぁああ!!気まずいことこの上ないですよぉおお!!


「……………」
『…………』


この無言の空気をどうしろと?!

ただいま、黒板消しなう。

しかし、気まずい。
それにしたって気まずい。
そして、黒板の上の方が届かない。


「あ、あのさ、後は僕がやるから。結城さんは休んでていいよ。」


……あ、やば。これは嫌われてるフラグ立ちましたせんせー!

昨日のこと誤解だって言ったほうがいいの?
いや、でも、あの制服を持ってきてくれた時の西連寺くん思い出すと心が折れる。ぽっきり折れます。

目を合わせようとしないで、制服だけ渡してどっかに行っちゃった西連寺くん。

あ、心が折れる。

そしてその後のニヤニヤ笑ってる壱にイラッとしたので頭突きしときました。あえての頭突きです。

そして西連寺くんと私の中に気まずい雰囲気が流れたまま放課後。

誰か助けて。あ、ララ以外の誰かでおーけ。


「結城さんってさ、よく教室の花の手入れしてたよね。」
『へ?』


やっと西連寺くんがしゃべったと思ったら、なんの話ですか?

花瓶をロッカーの上に置いてから、西連寺くんを見る。


『えっと、はい。私の家、両親が忙しくて、妹は家事をしてくれるので、お花とかの手入れは私がやってるから…』
「そっか…けど、僕はそういう植物を大切にする結城さん、可愛いと思う。」


あー…、はい。
自分の顔が赤くなるのが分かる。

ダメです。フラグを立てちゃダメです。
西連寺くんは仮にも西連寺春菜ちゃん成り代わりさん。
フラグを立てたら、終了です。


『わ、私、ゴミを捨ててきます!』
「あ、僕も手伝おうか?」
『だ、大丈…ぶ?』
「危な…!」


王道ですか王道ですか?!

ついつい急いだ私が、扉のところで躓き、それをナイスタイミングで西連寺くんが私を抱き締める。

どんな王道ですかぁぁあああ!!!


「ご、ごめん!」
『……いえ、ありがと。』


もう、なんかいろいろ帰りたい。


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