イケメンは二次元に限る 3


『やっぱり違う!!!』
「目が覚めました?」
『にぎゃぁぁぁぁああ!!!!』

「あ、また気絶しちゃったなぁ。」


夢の中で、私は自分の“いつも”を思い出す。

私はふっつーの女子高生だった。
しいて言うなら、男嫌いのイケメン嫌い。
嫌いっていうより、恐い?って感じ。
触るの無理。近寄るの無理。目を合わせるのも無理。

きっと、将来は一人ろんりーうるふで過ごすんだと思ってた。てゆか、現在進行形で思ってる。

だって無理らもん。
だいたい、男なんて浮気しなくちゃ生きていけなくて、臭くて、気持ち悪くて、怖くて、キザったらしくて、ウザくて、私の友達を取ってて、優しくなくて、怖いんだよ!!

イケメンなんて、浮気しなくちゃ生きていけないんだよ!女の一人や二人手玉にするんだよ!!

おっそろしーもん!!

まあ、そんなわけで。
学校ではずーっと女の子に引っ付いてた。
みんな、お菓子とかくれて優しかった。だぁいすき!

いやいやいや。それはいいんだった。

で、いつも通り女の子たちと一緒に登校して、イケメンとかにガクブルしながら学校で一日を過ごした。
んで、学校が終わって帰ったら、その日の夜ご飯は豪華でうはーっ!ってなって、お風呂入って寝た。

で、目が覚めたら、なんか違う世界…と。

あれ?不思議なこと全然ないや。

てゆか、あれ?ジャムおじさん?
ジャムおじさんって、アンパンマン?
あれ?あれー?


『なんでー?!!』
「おや、目が覚めたのかい?名前。」
『ジャムおじさんが、アンパンマン?』


ジャムおじさんってゆーと、アンパンマンの登場人物だよね?

え?なんで?

私のそばで、ジャムおじさんがなんか言ってるのが分かるけど、混乱中な私の耳には届かない。


「?アンパンマンなら、そこにいるよ。」
「どうかしましたか?」
『いやぁぁぁぁあああ!!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃいい!!!』


そこには可愛らしい顔をしたイケメン。

叫びました。絶叫です。
もう、私涙目。

自分に掛かっていた毛布を頭から被って、目を見ないようにする。

うわぁぁあんん!!!
なんで、アンパンマンの世界?に人間がいるのぉおお??!人間は、ジャムおじさんとバタコさんだけだったのにぃいい!!
てゆか、ここってば、ほんとにアンパンマンの世界なの??!確かに漫画の世界に行けたら楽しそうだな、とは思ったことあるけど、そりゃあないよう!!

あ、でも、

『アンパンマンには会ってみたい…』


子どもの夢だよね!
アンパンの姿でどうやって歩いてんのか、めっちゃんこ気になる!!
てゆか、アンパンマンの顔食べてみたい!!


「名前や。さっきから、どうしたんだい?アンパンマンなら、すぐそこにいるよ。」
『………へ?』


毛布の隙間から、辺りを見渡す。

うん。アンパンなんてないよ!
いるのは、ジャムおじさんとイケメンおんりー。


『あの、アンパンマンなんていないですよ?』
「ジャムおじさん。名前さん、どうしたんでしょう。」
「今朝は普通だったんだけどねぇ…」


なんか話してるけど、私から見たら、私の名前知ってるジャムおじさんとイケメンが不思議でたまんないよ!あ、でも、私もなんでジャムおじさんとチーズの名前わかったんだろ。
もう、わけわかめ。


「名前さん、本当にぼくのことわからないの?」


バサリ、私の毛布が取り上げられ、視界はすっかりイケメン色☆


「「あ。」」


私の意識は飛んでった。


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bkm
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