原作?なにそれおいしいの? 13


『由希くーん!』


やることも全部やってもう寝るだけだ!ってなった時に、私はニコニコと由希くんに近付いた。


「どうしたの?」
『あのね、元宮さんのこと教えて欲しいんだ。』


「お願い!」と手をパンッと顔の前に持ってきてお願いのポーズをする。

すると由希くんはニコッと王子様スマイルを私にくれた。


「別にいいよ。」
『やった!ありがと!』
「ただし、」
『?』
「これから俺のことは呼び捨てね。」
『えーっと、じゃあ由希…?』
「っ、」


ただ名前で呼んだだけなのに跪かれた。
まあ、そんな由希も可愛いと思う!


『じゃ、教えてね!』
「……うん。」


顔を紅くしながら答える由希が可愛かったから当分からかおうと思った。



「元宮さんは、五年前くらいかな…?その頃に草摩家に来たんだ。彼女は俺たちが集まっていた集会に突然やってきた。最初はみんな警戒してた。でも、そのうち紅葉…兎憑きを始めとした物の怪憑きが懐いて、最後には俺と慊人以外の物の怪憑きはみんな彼女に懐いたんだ。」


そう言う由希の顔は難しい悲しむような顔をして、寂しさが見えた。

それにしても、懐いた、ねぇ。
ウケるwww


『ね、由希。その中にさ、元宮さんに恋しちゃってる人いる?』
「俺の知る限りではほとんど。十二支の男は俺合わせて十人いるんだけど、きっと俺以外は元宮さんのこと好きだと思う。」
『………そう。』


これはマズイ。
もし由希の言ってることが本当で、男九人が元宮さんに惚れてたら原作ぶち壊しどころじゃない。

……私、牛馬が好きだったのに!!!!!
それに酉魚も好きだったんだよ??!!!!
どうしてくれよう。あの女。許すまじ。


『由希、とりあえず教えてくれてありがと!』
「あ、あぁ。それはいいんだけど…」
『ん?』
「(絶対なんか怒ってる…!)」


とりあえず、元宮さんに逆ハー補正なるものがついてると思う。これは絶対。
だってそうじゃなきゃ兎憑きはともかく、戌憑きと丑憑きが好きになるはずがない。

あーめんどくさっ!


『由希!私頑張る!』
「?頑張って…?」
『とりあえず、一緒に寝よ!』
「(犯してあげようか。)」


無言で冷たい目で見られたので、自重することにした。
いやん。由希くん怖いwww


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