原作?なにそれおいしいの? 21


辛そうに顔を歪める慊人。
性悪最低男の隣には、笑顔の元宮さん。

アカン、アカンわー…、


『慊人、ちょっと来て。』
「へ?名前?」


慊人を引っ張って、私はさっきのショッピングモールに入って行く。

さっきと違うのは、私が入って行くところがメンズ服のお店だってこと。


『えーっと、コレとコレと…コレかな。あ、ブーツも欲しい。』
「名前…?何しようと…、」
『ふふ…あの慊人を一人にした奴らに見せつけようと思って!』


にーっこりと笑うと、慊人が首を傾げてて可愛かった。

でも、まぁ、私の大切な友達を一人にしたんだし、ねぇ?私の本気見せてあげるよ!

って、どこの中二病www





「あ、慊人さん…?」
「なに。」


冷たい瞳で慊人は性悪最低男を見る。

それに意味が分からないとでも言うような、性悪最低男の顔にクスリと笑う。

あーあー。これで、性悪最低男が慊人への気持ち思い出してくれるといいんだけど。
私だって、嫌いなわけじゃないんだよ?戌憑きのこと。
でもさぁ、慊人の気持ち忘れて元宮さん行っちゃったのには、すっごいムカついてるんだよね。


「隣の、男は…?」
「別に紫呉には関係ない。」
『慊人ー?なに、そいつら友達なの?』
「別に。ただの親戚。」



慊人の言葉にショックを受けたような戌憑き。

ちなみに、男とは私のことである。
ダボっとした服にジーンズ。そしてシークレットブーツとウィッグを着けて、ちょっと化粧をすれば、パッと見男。
しかも、前世歌い手で培った低い声が男らしさが倍に!

元宮さんがキラキラした目で見てるけど、スルーでおーけーwwww

まあ、顔はもともといいし、男装すればイケメンだよね。私。



「あのぉ、私、元宮羽依って言います。」
『へぇ。』


私が慊人に引っ付いてると、元宮さんが来て、私に上目遣いをする。
おぇっ、なんて思ってないよ。思ってない。

私とはずいぶん、対応が違うね。
マジ、ウケるwwww


「羽依って、呼んでください。」
『無理。』
「……え?」
『だって俺、女嫌いだし。本気で無理。ないわ。』


私の言葉にプライドが刺激されたのか、顔を真っ赤にして慊人を睨みつける元宮さん。

いやいや、おかしいやん。
なんで、私じゃなくて、慊人?


『なぁ?俺の慊人見るの止めてくんねぇ?慊人ー、さっさと行こうぜ!』
「うん。」

「ちょっと待ちなさいよ!」


そう言って、私たちが二人が手を繋いで離れようとすると、後ろから女の声。

あー…めんど。


『なに。』
「そいつだって、女じゃない!なんで、あたしはダメなのよ!」


あ。この女、馬鹿だ。




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