理人さんとお話をして結局決闘に出ることにしたらしいメイちゃん。
きゃぁんっ!これも愛の力なのね!
やっぱり恋愛はいいわぁ。
望遠鏡を覗きながら、忍と一緒に陰寮からデュエロが行われるコルッセオを見る。
ふふふ…本当にいいわぁ…
みんなドレスでお洒落してるし!
そしてやっぱり華山さんとその執事は仲良しねぇ。
『やっぱり女の子は好きな人といるのが一番ね!』
「名前様…、いつまでも窓を開けていると、風邪を引きます。」
『そんなこと言わないで?ほら、忍もメイちゃんと理人さんを見ましょ?』
クスクスと笑いながら忍に手を差し出せば、ため息をついた忍が私に毛布をかけてくれる。
それに一つお礼を言って、私はまた二人のデュエロに目を向けた。
『わっ!見て見て忍!やっぱり華山さんのドレスは綺麗ね!それに、メイちゃんの服も可愛らしいわ!』
「それにしたって、子どもっぽすぎるのでは?」
『そこがメイちゃんの可愛らしいところじゃない。忍はメイちゃんのことが分かってないわねぇ。』
「(別に知らなくてもいい。)」
うーん…
それにしたってやっぱり理人さんは強いわね。
華山さんの執事に圧勝した理人さんを見ながらクスリと笑う。
あれってば一種のチートよね。チート。反則だわ。
まぁ、見てる此方は面白いからいいけど。
『さて…もうデュエロも終わってしまったことだし、ルチアの部屋に行きましょうか。』
「メイ様のことを待たないのですか?」
『ええ。だって、華山さんの執事さんが来たら、私のことみんなにバレちゃうもの。』
ケラケラと笑えば、忍がヒクリと口を引きつらせる。
あら?なんか変なこと言ったかしらかしら?
はて?と首を傾げるけど、わからないものはわからないので、早々に諦める。
『あ、理人さんには言ってあるから大丈夫よ。』
「…なんで私には…、」
『忘れてたの。』
よくあるよね!なんだか、理人さんに言っただけで満足しちゃって、忍に言うの忘れてたのよ。
ムスーッと面白くなさそうに顔を歪ませる忍にクスクス笑って車椅子から立ち上がる。
そして、忍の頭をくしゃりと撫でた。
本当、忍は可愛いわぁ。
『別に信頼してないわけじゃないのよ?ただ、忘れてただけ。』
「…では、今度からは、柴田より先に、私に言ってください。」
『はいはい。』
「…本当にわかってますか?」
『わかってるー。』
忍の髪の毛さっらさっら。
触ってて気持ちいいわー!
とりあえず、忍の話は聞き流したけど、いいと思うの。
だって、きっとすぐ忘れるもの!
忍の髪を思う存分いじった私は、そのあと車椅子に乗ってルチア宮に移動しました。
私、車椅子じゃなくてもいいと思うのにねぇ。
気持ちはこんなに元気なのに、身体が思うようにいかないってもどかしいわ。
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bkm