メイSide
あたしの大切なもの。
お父さん、お母さん。それから友達。
でもね、もっと好きな人がいるの。
小さい頃に一度会ったきりの大好きなお姉ちゃん。
優しくて、綺麗で、可愛くて。
私はお姉ちゃんが大好きになった。
文通だけでも、すごく満足で。
前にお姉ちゃんの名前は言わないで、そのことを友達に言ったら、それは恋だよって言われた。
恋、恋、恋…
普通は男の人にするのを、私は女の人にしてしまった。
でも、お姉ちゃんが好きなのは本当で。
一番大切で一番大好き。
【恋】って言葉はお姉ちゃんの気持ちにすんなりと当てはまった。
だから、お父さんとお母さんが死んでしまって、理人さんが来た時に、あたしがルチア学園に来ることに決めたのは、お姉ちゃんのため。何故か柴田も着いてきたけど。
おじいちゃんが、名前お姉ちゃんはここにいるって教えてくれたから。
それに、友達にも迷惑かけたくなかったしね。
だから、お姉ちゃんに逢えたとき、本当に嬉しかった。すっごく。すっごく。
お姉ちゃんはあたしの想像よりも、遥かに綺麗で美しくて、妖艶で、可愛らしい人になってた。
一番驚いたのは理人さん。
理人さんはお姉ちゃんが好きみたい。
それに、お姉ちゃんの側には、白い服を着た執事がいつもいた。
すごく、ズルい。
お姉ちゃんはあたしのなのに。
お姉ちゃんとあたしの仲を壊すなら、執事なんていらないもん。
「だから、理人さん。辞退しよーよ。」
「……メイ様。私が華山様の執事になって一番困るのはメイ様ですよ?」
「なんで?」
「…忍がずっと名前様のお側にいることになりますが。」
考えてみた。
たまに、理人さんが名前お姉ちゃんのところに行く以外、ほとんど二人で一緒に過ごしてる忍さんとお姉ちゃん。
『し、忍…?なにするの…?』
「もう我慢の限界です…、」
『ぁっ、ちょっと忍、きゃあぁぁぁ……』
そしてお姉ちゃんと忍さんは……
「理人さん!絶対勝ってくださいね!」
「仰せのままに。」
絶対に!お姉ちゃんは誰にも渡さないんだから!
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bkm