愛でるのです! 9


メイSide

あたしの大切なもの。
お父さん、お母さん。それから友達。

でもね、もっと好きな人がいるの。
小さい頃に一度会ったきりの大好きなお姉ちゃん。
優しくて、綺麗で、可愛くて。
私はお姉ちゃんが大好きになった。

文通だけでも、すごく満足で。
前にお姉ちゃんの名前は言わないで、そのことを友達に言ったら、それは恋だよって言われた。

恋、恋、恋…
普通は男の人にするのを、私は女の人にしてしまった。
でも、お姉ちゃんが好きなのは本当で。
一番大切で一番大好き。

【恋】って言葉はお姉ちゃんの気持ちにすんなりと当てはまった。


だから、お父さんとお母さんが死んでしまって、理人さんが来た時に、あたしがルチア学園に来ることに決めたのは、お姉ちゃんのため。何故か柴田も着いてきたけど。

おじいちゃんが、名前お姉ちゃんはここにいるって教えてくれたから。
それに、友達にも迷惑かけたくなかったしね。

だから、お姉ちゃんに逢えたとき、本当に嬉しかった。すっごく。すっごく。

お姉ちゃんはあたしの想像よりも、遥かに綺麗で美しくて、妖艶で、可愛らしい人になってた。


一番驚いたのは理人さん。
理人さんはお姉ちゃんが好きみたい。
それに、お姉ちゃんの側には、白い服を着た執事がいつもいた。
すごく、ズルい。

お姉ちゃんはあたしのなのに。

お姉ちゃんとあたしの仲を壊すなら、執事なんていらないもん。


「だから、理人さん。辞退しよーよ。」
「……メイ様。私が華山様の執事になって一番困るのはメイ様ですよ?」
「なんで?」
「…忍がずっと名前様のお側にいることになりますが。」


考えてみた。
たまに、理人さんが名前お姉ちゃんのところに行く以外、ほとんど二人で一緒に過ごしてる忍さんとお姉ちゃん。


『し、忍…?なにするの…?』
「もう我慢の限界です…、」
『ぁっ、ちょっと忍、きゃあぁぁぁ……』


そしてお姉ちゃんと忍さんは……


「理人さん!絶対勝ってくださいね!」
「仰せのままに。」


絶対に!お姉ちゃんは誰にも渡さないんだから!


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