愛でるのです! 5


ちょっとフリーズしてると、カッとメスが理人さんの頬をかすった。
そのメスの飛んできた方をみると、そこには私の執事さん。

メイちゃんタイトル風に言うと、ルチアちゃんの執事!的な?

…ごめん、ちょっと混乱してたのです。


「名前様、その男から離れてください。」
『…忍、おかえりなさい。そして目。忍も目が怖いですよ。』
「忍さまともあろうものが、余裕がなさすぎでは?」


二人が睨みあってる横で、私はガクブルとメイちゃんを抱き締める。

やーだ。この二人怖すぎる。

なんで睨みあってるのー。


「…ふわぁ、」
『あら、メイちゃん眠いの?』
「ちょっとだけ…?」
『ふふふ、寝ててもいいわよ。ね?』


くぁ、と可愛くあくびをしたメイちゃんの頭を撫でながら、私の膝にメイちゃんの頭を乗せる。
いわゆる、憧れの嬉しはずかし膝枕ってかたち。

最初は私に遠慮してたメイちゃんも、そうとう疲れてたのか、そのまま寝てしまった。

あぁんっ、可愛い!

なんて、現実逃避もしている場合ではなく。
いや、メイちゃんが可愛いのは本当なのよ?
でもね、ほら。理人さんと忍には詳しく聞かなくちゃいけないことがあるみたいだから。

なんで、理人さんが私とメイちゃんの執事兼任してんのよ。
そんな話なかったでしょーが。

ちょっと前世行って漫画読み直したい。

ぶっちゃけ、覚えてることって私(ルチア様)がメイちゃんと対立してて、忍がヤンデレで、私(ルチア様)も理人さんにヤンデレってことだけなのよね。
あ、あとはメイちゃんが高校生になってからの話も覚えてるなぁ。……ちょっとだけ、その時の自分の年齢が怖い。今でもアレなのに。うぅ…

とりあえず、今の問題は理人さんがルチア様の執事も兼任してたかってことなんですよ。

二人に話を聞こうにも、怖くて聞けない。
だって睨みあったまま動かないんですもの。

ので、

『(携帯電話〜)』

気分は猫型ロボットです。

ポケットではないけど、忍が私の側に置いといてくれた携帯電話を取り出す。

もちろん、電話先は私とメイちゃんのおじいちゃんですよ。


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