先々週、常陸院の双子に出逢った。
先週は銛之塚崇と鳳鏡夜に。
そして今週は須王環。
眼鏡を外してぼーっとしてるところに、これまたぼーっとした須王環と目があってしまった。
まあ、それはスルーしたんだけどねー。
そして今日。
「お前が藤岡名前か?」
『………それがなにかー?』
鳳鏡夜が来た。
あー嫌な予感しかしないんだよねー。
ほんと、最悪かも。
鳳鏡夜に呼ばれ、私は人気のない場所へ。
もう、ほんと帰りたいなぁ…
「お前にはホスト部をやってもらう。」
『……無理ですねぇ。』
「これを見てもか?」
『っ、そ、れは、』
鳳鏡夜が出したもの。
それは写真。
ただの写真ではなく、それはたまたま私が花瓶を落としてしまったときのだった。
花瓶を落としたときは、ハルヒと同じことやっちゃったなー、まぁ、でも周りにホスト部がいないし、いっか!とか思ってそのままにして帰った。
まさか、写真があるとは誰も思わないよねぇ…
「どうだ?これを見てもまだ、やらないと?」
『…なんで、自分がホスト部をやらなくちゃいけないんですかー?』
これでも私、性別上は女なんですけどねぇ。
「お前は人気があるからな。」
『だからって、普通女をホスト部にいれようとしますか。』
ちょっとイラってきたので、私よりだいぶ背の高い鳳鏡夜をジロリと睨む。
どうせ鳳鏡夜のことだから、私の性別なんてとっくの昔に知ってるんだろ。
他人にただ使われるのは好きじゃない。
「…お前が女だということは、俺以外知らない。」
『そうですか。ま、いいですよ。ホスト部、 やっても。』
どうせ、私に拒否権はないんだろう。
だって私は私でも、この世界では藤岡ハルヒという存在な私。
きっと、この流れが自然で、運命で、必然。
私に変えることなんて出来ない。
あの日ハルヒに誓った“ホスト部とは関わらない”という誓い。
それは、私の私自身が作ったハルヒへの免罪符。
自分の罪を少しでも軽くしたかった。
ねぇ、神様。
私、神様なんてやつが本当にいるなら、きっと殺してしまう。
ハルヒを奪った自分を殺したくてたまらなかった時期があった。
その証拠に今も残る手首の傷痕。
でも、今は違う。
私はこの世界が好きで、愛してる。
だからこそ、関わってはいけないと思った。
死ぬことができなかった、私の罪。
でも、関わってしまうなら。
せっかくだから、私は私になって、彼らをとことん拒絶してみよーか。
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bkm