とゆーわけで名前ちゃんin草摩家☆
『wktkするわ!』
「?…わ、わくてか?」
『あ、由希くんは気にしないでー!』
ちなみにお父さんは昨日結局帰ってこれなかった。
やっぱり仕事が忙しかったみたい。いつもだったら、一人でちょっとだけさみしいけど、由希くんいたし。
それに、昨日由希くんが言ってくれた「根本的なところは一緒」って言葉にはだいぶ救われた。
なんだか、透と一緒なところあるんだよって言われたみたいで。そんなことありえないのに。
だから他の人はどうでもいいけど、私は私の大切な人を護りたいと思います!
やだ、私のキャラ違うwww
『とゆーわけで!』
意気込んで来たのになんかスルスルと草摩の中に入れたんだけど。
あれ?おかしいな。
しかも由希くんとは途中から離されたんだけど。
やだ、私リンチフラグwww
あ、笑いごとじゃないどうしよう。
「……君が本田名前…?」
しかもすぐに目の前に草摩家当主がいるんだけど。
うおちゃん、はなちゃん!へるぷみー!
あ、でもやっぱり草摩家当主さんはテラ美人でした。どうしよう。当主さんの写真とって「こんな僕っこの女の子どうよww」ってタイトルのスレをあげたい。きっとモテモテ。
……ま、落ち着こう。
そうだ。さっさと帰って今日は由希くん(子姿ver)の服作ってあーげよっと!
かくかくしかじかと透の口調で当主さんに説明なう
ちなみに、由希くんが私の家に来たい理由は私といたほうが衛生的にいい生活送れるからってことにした。
まあ、嘘じゃないからいーでしょ。
『だから、私に由希くんを引き取らせてほしいのです。』
「………」
私が一通り話し終わると、上座からこっちに下りてきた当主さんがこわい。
さらに言えば私の話をずっと黙って聞いてた当主さんもこわかった。
やだ、私ってば本気でリンチフラグwww
…わらいごとじゃないってば。
『がっ、』
「お前もなんだ…」
そんなことを脳内妄想していると、当主さんにガッと首を絞められた。
あれ?マジで私の死亡フラグなの?やっちゃうの?
『っ、』
「お前もっ、僕からみんなを奪うんだっ!置いていって、そしたら僕の生まれる意味はっ、」
私の身体の上に馬乗りしながら首を絞める当主さん。始めは無理矢理引き剥がそうと思った。けど、できなかった。
だって、泣いてるんだもん。
「名前!」
「ぐっ、」
『っ、げほっ、はぁっはっ、』
遠くなる意識で私を呼ぶ声が聞こえたと思ったら、当主さんは転がるように畳に転がって、私は肩を誰かに掴まれていた。
それを誰だか確認する前に、私は思いっきり息を吸う。
いやー。マジで死ぬかと思った。
生きててよかったよかった。
「慊人!なにしてるんだ!」
『あ、由希くーん。』
私を護ろうと、私の肩を支えながら震える身体で当主さんを怒鳴る由希くん。
それに当主さんは一瞬顔を歪める。
「ちがう違うちがう!僕は悪くない!全部お前たちが悪いんだ!僕を一人にして、僕を仲間ハズレにしてそんなに楽しいか?!突然現れて、僕の世界を壊してっ!嫌いだ嫌いだ!大っ嫌いだ!僕の永遠を返せよ!」
当主さんはそう言って泣き叫ぶ。
そういえば、原作ではいつも一緒にいた鳥憑きがいないことに気付いた。
それに気付いた時、私はやっとこの子が原作より早く一人ぼっちを感じているのは、私の、透の代わりに来たあの女のせいだと気付いたんだ。
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bkm