涙目のコナンくんを抱っこしてあげると、胸に擦り寄ってきました。
なんでしょう?体が幼児化すると、心まで幼児化するんでしょうか?
まあ、可愛いのでいいですけど。
そして、それを見てコナンくんのほっぺを思いっきり引っ張る蘭。
蘭は彼氏が女の人といると、彼氏を怒るタイプなので、きっとこれも自分では気付いていないヤキモチです。
蘭、可愛いです。
そんなこともあり、私たちが現在いるのは谷さんのお屋敷。
……あれ?本当になんで私はここにいるんでしょう?
谷さんと言えば、可愛らしいお嬢さんがいました。
先日のパーティで会った時、晶子ちゃん一人でさみしいってボヤいた気がします。
あ、谷さんとはお知り合いなんですよ。
私の両親と谷さんが仲がいいんです。
「あーあ…本当だったら、今日は名前とお泊まり会だったのに…」
『ふふ…また今度しましょうよ。ね?それに、蘭といられるだけで私は嬉しいですから。』
にっこりと蘭に笑いかけます。
私の一番の親友ですもん。
一緒にいられるだけで心地良いんです。
「名前…!私も名前といるだけで幸せだわ!」
『わっ、』
微笑んでいると、すごく嬉しそうな蘭に抱き締められました。
ちょっとだけ、苦しいですけど蘭が幸せそうなので別にいいです。
「ねっ、ねぇ!」
そんなことをしていると、下から大きな声。
それに目を向けると、コナンくんがいました。
『どうかしましたか?』
「あ、えっと、」
『?』
コナンくんの視線まで、しゃがみ込んで笑いかけると、さっきまでの大声はどこへやら。
コナンくんは下を向いてぽそぽそと話します。
?どうしたんでしょう?
なにかあったのでしょうか?
「あの、ボールで遊んでいいかな…?」
『?いいと思いますよ?』
「わ、わーい!じゃぁ、僕のこと見てて?」
『はい。いいですよ。』
ニコニコと笑ったコナンくんが、ボールを生き物のように操ります。
すごいですね。私もちょっとだけ、やってみたいです。コナンくん…っていうよりも、新一くんなんでしょうが、尊敬します。
そんなことを思って、ニコニコとコナンくんを見ていると、蘭が私を抱き締めてきました。
そんな蘭の頭を撫でていると、コナンくんの顔が何かを思いついたように、晴れやかに。
その顔は、まるで謎が解けたときの新一くんのようで、とても頼れそうな、男の人の顔でした。
やっぱりイケメンは、小さくなってもイケメンなんですね。スゴイです。
「名前ー、早く帰りましょうよー。」
『でも、蘭。小五郎のおじさまも忙しいみたいですよ?』
「だって、このままじゃ、本当に名前といる時間が少なくなっちゃう!」
そんな可愛らしいことを言ってくれる蘭に思わず顔が緩みます。
きっと、私の顔は人様には見せられない、だらけた表情になってるでしょう。
『私、蘭のこと大好きです。』
「っ、(か、可愛い…!)」
ギュッと私を抱き締めてる蘭の背中に思わず手を回しちゃいました。
私、幸せです。
prev next
bkm