くるくるり! 6


「こ、この子…、」
「ハハ…」
「なんだかふてぶてしい…」


そう言って、コナンくんのほっぺたをぎゅーっとつねる蘭に慌てて、コナンくんを抱き上げます。


『ら、蘭、?どうしたんですか?』
「あ、ごめんごめん。なんだか、イラッときて…」
「(あ、やっぱり名前の胸でけぇ。)」


蘭はそんな、コナンくんにまでツンデレを発揮してどうするつもりなんでしょう…
二人が付き合ってからが心配です。


「ねぇ、ボクいくつ?」
「え、あ、じゅうろ…じゃなくて…六歳!」
「小学一年生かー…」
「う、うん…」


男の子を床に下ろすと、蘭はすごくいい笑顔で男の子に詰め寄ります。

なんでしょう。仲良くなったんでしょうか?
それならいいんですけど…


「名前はー?」
「な、名前は、新…でもなくて…、」
「んー?」

「え、えーっと…えーっと……コナン!!ボ、ボクの名前は、江戸川コナンだ!!」


おお…!コナンくんの名前命名の時に居合わせたなんて、なんだか感動です。
そして、やっぱりコナンくんの名前に訝しげな蘭。
やっぱり幼馴染、何か通じるものがあるんでしょうか…?なんだかんだでラブラブですよね。もう夫婦のようです。


「コナン…?変な名前ねー…」
「ボ、ボクの父さんがコナン・ドイルのファンだったから、こんな名前を…」
『まぁ、いいじゃないですか。ね?蘭。』


いまだに怪しんでいる蘭と、コソコソと何かを話している阿笠博士とコナンくん。

怪しいです。怪しいですよ。
コナンくんと阿笠博士…


「じゃ、帰ろ。名前。」
『いや、違いますよね?!新一くんを探しに来たんじゃないですか!』
「(チッ…)あ、そういえばそうだったわね。」


蘭は天然なんです。
可愛らしいじゃないですよね。
私なんかとは大違いです。


「で、新一は?」
「さっきまでいたんじゃが…なんか用があるって外に…」
「ふーん…」


心なしか不機嫌になった蘭。
きっといなくてがっかりだったんですよね。

あぁ、蘭のがっかり原因を作ったのは、私じゃないですか!
ごめんなさいぃぃい!蘭んん!!
でも、新一くんはコナンくんになる運命なんですぅぅう!!!

私が一人、懺悔をしていると、阿笠博士が蘭に一つの提案をしていました。


「この子を私の家に?」
「そうじゃ。いやーこの子の親が事故で入院したんでなぁ。」
「うーん…そうねぇ…」


すると、手を組んで悩んでしまった蘭。
あ、あれ?蘭ってここで悩むんでしたっけ?
まあ、そうですよね。知らない子を家に置くのは誰だって悩みますよね。


『ねぇ、蘭。この子を預かってもいいんじゃないんですか?』
「名前がそう言うなら預かるわ。」
『(あ、あれ?こんな簡単に了解しちゃっていいんですか?)』


そもそも、私ってここにいていいんでしょうか?
ちょっとだけ、それが心配になりました。


「あ…でも、お父さんに相談してみないと…」
「おー!そーか、そーか!引き受けてくれるか!!」
「(バ、バーロー!そんなことしたら、蘭と名前に俺の正体が…!)」


蘭と阿笠博士の言葉に新一くんなコナンくんが、阿笠博士に詰め寄ります。

本音を言うとすごく怪しいです。
とても怪しいです。
でも、蘭が私ににこやかに話しかけて来て、気にした様子もないのでいいと思います。
なので、私も気にしません。


「ボク、ねーちゃん家に住むー!」
『あ、あれ?ねーちゃんは私じゃないですよ?』


ピトッと私の足に擦り寄るコナンくん。

あれ?コナンくんをお家に住ませてくれるおねーちゃんは、私じゃなくて蘭ですよ?


「私の名前に触るな!」
「げっ、」
『蘭んんんんん?!殴っちゃダメですよ!殴っちゃダメです!!』


私の足に擦り寄るコナンくんに、蘭がコナンくんの頭をゲンコツで思いっきり殴ってしまいました。

あぁあ!コナンくんの涙目、涙目なんですけど!


prev next

bkm
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -