くるくるり! 2


それからは私は記憶を持ったまま、もう一度赤ん坊からやり直して、いまでは高校生になりました。

途中、自分が“鈴木園子”という女の子に成り代わったことに気付いていろいろあったけど今は省略します。

そして現在。


「私と名前が隣の席に決まってるでしょ!」
「はぁ?オレと名前だろ!」


殺人事件がすごい勢いで起こる漫画のヒロインとヒーローに挟まれています。

お察しの通り、私は名探偵コナンという有名な【見た目は子ども 頭脳は大人】な世界に生まれてしまいました。
そのキャッチフレーズは今の私に見事にハマってしまいますね。

ちなみにここはトロピカルランド。
蘭の空手優勝を祝って、三人で遊びにきました。

……私って、恋人同志の邪魔をする無粋な人になってませんか?


『私ジェットコースター乗れませんから、どうぞお二人で行ってきてください。』
「えー!」「乗らねぇのか…?」
『ええ。ほら、私ここで待ってますから。』


にっこり笑って、私は若干不満そうな二人を送り出しました。

近くのベンチに座ってはぁ、とため息を一つ零します。

二人とも、素直じゃないんですから。
さっさとくっついてしまえばいいのに、って何度思ったことか。まあ、二人ともツンデレなるものですし、しょうがないんでしょう。
そんな二人を近くで見るのもまた楽しみです。

あ、でも二人がくっついたら、私がさみしいので当分はあの状態が続けばいいと思います。


そんなことを考えながら休んでいると、蘭たちの乗ってるジェットコースターに何故か警察が入っていった。


『(また、事件かな?)』


やっぱりというかなんというか。ここは新一くんいるところに事件ありみたいな世界です。

きっと、今日も殺人事件が起こったのでしょう。

本当にジェットコースターに乗らなくて良かったです…
蘭には悪いですが、あまり殺人事件には巻き込まれたくないものです。

それにしても…、

『この事件、どこかで見たような気がしますね。』


トロピカルランドにジェットコースターで起こった殺人事件。

……まぁ、そんな事件たくさんありますよね。

とりあえず、私はいつまでここで待ってればいいのでしょう。


空を見上げながら、当分は出てこない二人にまた一つため息をつきました。


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bkm
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