貴方に価値はありますか? 13


教室に行ったら、教師に泣かれた。
何故だ。

まあ、どうでもいいので、さっさと自分の席に座って、机に突っ伏す。

マジダルいわ。
なんで私が授業なんかに出なくちゃいけないんだ…
まあ、出るけども。さすがに十六日も行ってないのは、アレかなあ、と思うし。

とりあえず、


『黄瀬、見過ぎだ。』
「だって、隣に名前っちがいるの久しぶりなんスもん!」
『気持ち悪い。』
「毒舌ッスね!」


なんでこんな明るいんだ。こいつ。
低血圧の私には、この明るさが理解できない。
とりあえずねむいので、じーっと私を見てる黄瀬をシカトして寝ることにした。くそっ、ねむい。





そんなこんなで三時間目。
やっと眠気もなくなってきたので、ボーッとしながら黒板を見る。


「名前っち、名前っち、教科書持ってるスか?貸します?」
『いらん。使わないし。』

「おい高杉ィ!お前、この問題解いてみろォ!」


黄瀬を適当にあしらってると、ねちっこそうな教師に当てられた。
うわ、イライラすんな。この男。
つーか、積分法って中学でやる問題なの?前の学校ではやらなかった気がすんだけど。まあ、ここって私立だし、そういうものなのかも。


「できねぇのか?あ?」
「ちょ、」
『はぁ…』


黄瀬が教師になんか言おうとしたのを、思いっきり睨みつけてから、スタスタと黒板の前に行く。


『ーーこれでいいですか?』
「……当たってる…な…よ、よし、戻っていい!」


まあ、前世の知識と晋介の頭の良さが合わさったら、普通に頭良くなるよね。

罰の悪そうな顔をした教師を睨んでから、自分の席に着いた。

うん。そんなキラキラした目で私を見んな、黄瀬。


「名前っちー!すごいッスね!さすがッス!」
『はあ?あれって、習ったんじゃないの?』
「習ってないッスよ?」
『……本気で?』
「あんな難しいの中学で習わないッスよー」

イラッ

名前も知らない教師ィ…あとで覚えとけよ…
私はしつこいからな。そしてねちっこい。

すごいすごいと、尻尾を振りながら(幻覚)私をキラキラとした目で見てくる黄瀬がだんだん可愛く見えてきた。
やばい、私、毒されてるな。

つーか、黄瀬がまた子に見えてしょうがないんだけど。どうすればいいんだ。



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bkm
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