貴方に価値はありますか? 6


いろいろ買い物をして、疲れた私はたくさんの荷物を玄関に置くと、そのまま倒れるように寝てしまった。

目が覚めたのは次の日の4時。

ジュースとかが入っていた袋は常温になっていてちょっとだけショックだった。

それからシャワーを浴びてリビングのテーブルを見ると、また、手紙が置いてあった。
となりには、制服とカバンと学校案内のような資料。

嫌な予感しかしないそれらを、ゴミ箱にすてた。


《捨てるなんてひっどいなぁ☆》


瞬間、頭に響いた癇に障るアホらしい声。


『あんたが犯人か。この野郎。』
《まぁまぁ。落ち着いてよ☆僕はね、名前ちゃんに言わないといけないことがあってわざわざテレパシー的なのでお話してるんだよ☆》
『死ね。』


頭に響くそれにイライラしながら暴言を吐く。
それくらい許してほしい。


《うん、それでね、僕忘れてたんだけど、今日から名前ちゃん入学式なんだよね☆だから、今日から帝光中学校行ってもらうね☆詳しいことは資料に書いてあるよっ☆》
『ふざけんな。私は今さら中学校などに行く気はない。しかも、テメェの言うことなんざ聞くか。』
《だーめ☆僕の言うこと聞かないと、名前ちゃんは生きていけないこと、気付いてる?》


ゾクリ、背筋が凍る。
無邪気に笑いながら言ったこのクソ☆男は、私が言うことを聞かないと殺す気なの…?

ありえない。


《まあ、それは冗談なんだけどね☆でも、僕にはそれくらい力があるって理解してほしいなぁ。》
『チッ…行けばいいんだろ。』
《よかった!ありがとう名前ちゃんっ☆大好き!》
『私は大っ嫌いだが。』
《釣れないなぁ…あ、僕はもうそろそろ仕事しなくちゃいけないから電話切るねっ☆学校がんばっ☆ちなみに、僕のことは気軽に崇めてもいいからね☆》

『死ね。』


いろいろ爆弾発言をおとしたクソ☆男はそう言って黙った。
あいつ曰く電話らしいけど、はた迷惑な電話である。私なんかお構いなしに電話に出さたよ。

いったん、ゴミ箱に捨てた制服とカバンと資料を拾いあげて、これを着るのか…と小一時間ほど悩んだのは言うまでもない。

結局決まったのは八時近くで、家を出たのが八時半。

それから、地図を見ながら行ったけどわかんなくて迷い、学校に着いたのは九時半だった。


遅刻したことについて後悔はしていない。



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bkm
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