原作?なにそれおいしいの? 3




バイトが終わったので、意気揚々と暗い夜道を歩く。
お父さんが夜は危ないからって迎えに来てくれるって言ってたけど、お父さんは仕事忙しいから大丈夫って断った。だって仕事終わってないのに迎えに来るなんて言うんだよ?心配しすぎ。まあ、嬉しいんだけどね。

ちなみにバイト場所は原作の透と同じ場所。
お給料もいいし場所も家から近いからいいんだよね。


『〜〜♪』


鼻歌なんて歌いながら夜の道を歩く。
すると前方の電信柱に誰かが立っていた。

…え?これは幽霊?
やだwwスレ立てないとじゃんww
そんなことを考えてワクワクしながら電信柱の前を通る。

と、


『…草摩くん…?』
「っ、本田さん…」


そこにいたのは黄昏顔をした草摩由希くんでした。

え、なんでここにいんの?


『ど、どうしたんですか?』
「…ちょっと、」
『…もう遅いですし早く帰らないと危ないですよ?それに顔色が悪いです。』


透のようににこりと笑いかけながら草摩由希くんに話しかける。
すると、草摩由希はちょっと頬を染めて困ったように私に苦笑いを返した。
…なんでそこで顔を赤くするとかは突っ込まないからね。


「そう、なんだけど…今、家に帰り辛くて…」
『?』


え?なんで?そんなに草摩夾嫌いだったの?
そこまでじゃないと思ってたんだけど。


「…実は今日から元宮さんが一緒に住んでるんだ。」
『…へぇ。そうだったんですか。』


やっぱり元宮さんって透の代わりのポジションなのかなぁ。
まあ、透に成り代わった私がこんなんだしね。
それにしても草摩由希をどうするか。
…ぶっちゃけどうでもいいんだよね。

あぁ、でも小さい頃助けてもらったし…


『…せっかくですから、私の家に来ますか?』
「え、で、でも、」
『遠慮なさらなくても大丈夫ですよ。それに…草摩由希くんにはお礼があるし。』
「え?」


ボソリとそうつぶやく。
草摩由希くんには聞こえなかったようだったけど。


『ほら、行きましょう。』


にっこりと透のように笑いながら私は手を差し伸べた。


由希Side

俺の手を引っ張りながらそう言う本田さんに自分の顔が赤く染まるのがわかった。

可愛い。

同じクラスメイトの本田名前さん。
俺は彼女が好き。
いつもニコニコしてて笑顔をふりまいてる本田さんが好き。
たまに話すときがあっても他の女子みたいに媚びを売ったりしない。それは花島さんや魚谷さんにも言えるけど、俺は本田さんが好きになった。

だから、実は本田さんがバイト帰りにこの場所を通るって知っててここで待ってたのは秘密。




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bkm
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