■ はじめてヤンデレ軍に感謝した。
本気で私の貞操なくなる五分前。
『やっ…、ぁあっ…!』
首を舐めるなぁぁあ!!
そして胸を揉むなぁぁあ!!
…と、叫びたいけど、イメージの為に我慢。
ちなみに犯人は双子でした。
知りたくなかった。
てか、なんで勝手に人の部屋に入ってんの。
あぁ。ノアにプライバシーとかないよね。
ロードしかり、ティキしかり。
涙目で、てゆか、涙ポロリで、双子にいいようにされてると、バァンッ!と扉の開く音。
そこに恐る恐る目をやると、ロードちゃまがいました。
あれ、デジャヴ。
「陽奈多ーー!聞いて聞い……ねぇ。僕の陽奈多になにしてんの。」
笑顔かーらーの、無表情がこんなに恐ろしいものって初めて知った。
でも、それと同時にこんなにロードが輝いて見えることを初めて知った。
わぁ、初めてだらけだね!
……うん。ごめん。現実逃避をさせて。
「なに、こいつ、ロードのなの?」
「そうだよ。だから、さっさと離して。」
わーぉ。ロードが本気で怒ってらっしゃる。
だって語尾が伸びてないもん。
いつもは、はにゃーんって感じで伸びてた語尾が伸びてないもん。
あ、本気でヤバい。
『ろ、ロード…』
「なぁ、お前陽奈多って言うのか?」
「ヒヒッ!」
笑ってる場合じゃないよ、片割れ。
てか、なんで笑ってんの。片割れ。
そして、なんで、絶対顔が青ざめてる私に迫るの片割れ。
どっちがどっちだか名前は忘れたけど、とりあえず、お前ら帰れ。
『ロードぉ、』
「!陽奈多?!泣かないでぇ!」
先ほど貞操の危機で涙目だったのを利用して、ロードを見る。
自分でも気付かないくらい怖がってたのか知らないけど、案外簡単に涙がボロボロ出た。
私の涙に驚いたロードが、双子を押し退けて私を抱き締めてくる。それに、ロードに縋り付くように抱き締め返せば、ロードは珍しくふにゃりと可愛く笑った。
よし。これで、私は完璧被害者なので死亡フラグは回避と。
いつの間にか双子が消えてたけど、知らない。
ティキとルルが入ってきて、双子の首根っこ持って何処かに連れてってたとか知らない。断じて知らない。
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