■ 助けが欲しい。
カーンカーンと変な音がうるさくて私の目が覚める。
目を擦りながらキョロキョロと見渡すと辺りはスプラッタでした。
『………あぁ、』
原作ですね。わかります。…分かりたくないんだけどね。
私の目の前にはお人形になったリナリー・リーに、グルグルと縛られているミランダ・ロットー。
さらに私の首に傷を付けてくださり、私がロードに監禁される原因を作り出してくださったアレン・ウォーカーがいました。
ワォ。主要人物勢ぞろい。
「あ!陽奈多おはよぉ!」
『…おはよ、ロード。この状況はなぁに?』
「ん?あのねぇ、ボクたちの邪魔をするエクソシストがいたから捕まえたんだよぉ?」
『…………』
ほんと、逃げようかな。
心の底からそんなことを思いながら鉄の杭で大きな腕を打たれているアレンを見る。
ちなみに、アレンはまだ起きていない。
そのまま起きなければいいのに。
そんなことを思うけど、それは無理な話で。
そんなことを考えている間にアレンの目が醒めてしまった。
「ア…レンくん、アレンくん…」
「ミランダ……痛っ!」
はい。完璧にアレンくんがログインしました。
ので、私はログアウトさせて頂きたいのですが、よろしいですか?
……なーんて、ロードに言えるはずもなく。
私とアレンの目があった。
「?!……ルーチェ…?」
『……』
黙るしかないです。もう黙るしかない。
私の目が死んだまま原作に突入します。
「駄目だよぉ?陽奈多はボクのなんだからぁ。ルーチェって名前もボクのなのぉ。」
そう言って私を抱き締めながら笑うのはロード。
ちなみにその隣にはお人形と化したリナリーがいます。
あはは。もうどうにでもなれ。
「リナリー!!!!!!」
「気安く呼ぶなよ。ロード様のお人形だぞ。」
「リナリーって言うんだぁ。可愛い名前ェ。…あ、安心してね。陽奈多。ボクの一番はぜぇんぶ陽奈多だからぁ。」
『……うん。』
としか言えない。
てゆうか私なんて空気だと思っていいからさ、
私の名前を出さないでぇぇぇえ!!!!!出すならせめてルーチェでお願いしますぅぅうう!!!!
「キミはさっきチケットを買いに来た…!?キミが【ロード】…?どうしてアクマと一緒にいる…?ううん。それよりも、なんでルーチェがキミたちと一緒にいるんだ…!」
「ボクは人間だよぉ?もちろんルーチェも。」
うん。いろいろ突っ込みどころがあったよね。
私ってロードよりも最優先される程アレンになにしたんだ。
“それよりも”って…!明らかロードがアクマと一緒にいる方が気になるでしょ。
いや、ならなくちゃいけないでしょ。
「じゃ、なんで…」
「人間がアクマと仲良しじゃいけないぃ?」
『……(私、仲良くした覚えひとっつもないんだけど。むしろ親を殺されてるんですけど。)』
「アクマは…人間を殺すために伯爵が造った兵器だ…。人間を狙ってるんだよ…?」
私の頭の中ではアレンを応援してます。
てゆうか、アレンに保護されたい。
教団にいれば平和だよね?明らかロードに監禁されてるよりは死亡フラグなくなるよね?
あ、でもアレンもヤンデレか…。
………あれ?もしかして私ってヤンデレフラグからは逃げ出せないの?
頭の中で達した結論に思わず頭を抑える。
嘘でしょ。嘘って言ってお願い。
そんなことを考えている間になんかロードとの距離がグッと近くなった。
ちょ、なんで私のほっぺたを舐める!
『ろ、ど!』
「兵器は人間が人間を殺すためにあるものでしょ?千年公はボクの兄弟。ボク達は選ばれた人間なの。なにも知らないんだねエクソシストぉ。お前らは偽りの神に選ばれた人間なんだよぉ。ボク達こそ神に選ばれた人間なのさ。ボク達、ノアの一族がね。」
私の言葉をスルーしてロードさんはノアになりました。
やーめーてー。今のロードの言い方だと私もノアだから。そんなんあり得ないから。
てゆうか、話す時に私のほっぺたを舐める必要があったのかが疑問でなりません。
わけわかめ。
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