■ 気付けばヤンデレに慣れ始めた私がいた。

『ロード、それはダメ、絶対。』
「えー?でもぉ、こうしないと逃げちゃうかもしれないよぉ?」
『 ダ メ 』


ロードの手には鉄の杭のようなもの。
その鉄の杭の先にはミランダの手の甲。

どうゆうスプラッタですか。


「本当にぃ?」
『…もしも、やるなら私もその女の人と一緒に死ぬよ?』


ニッコリと笑ってロードにそう囁く。

すると、ロードは弾かれたように私の方を見ると涙目になりながら私に縋ってきた。


「!ダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメ!!!!!!!陽奈多は僕と僕だけとずぅーっと一緒にいるんだからぁ!!!!」
『じゃあ、私のお願い聞いてくれる?』
「僕とずぅーっと一緒にいる…?」
『ロードが聞いてくれるなら。』


さらに私が笑みを深めて言うとロードは渋々頷いてミランダを縄で縛るだけにしてくれた。

その光景を見つつ、自分がロードの扱いに慣れ始めたことに気がついて思わずため息を吐いた。


「ねぇ、僕ちゃんと陽奈多の言うこと聞いたよぉ?偉い?偉い?」
『うん、偉い偉い。』


ミランダの体を縛り終わったロードが近くの椅子に座りながら紅茶を飲んでいた私の首に手を回しながら擦り寄ってくる。

それに適当に返事をしながら私は紅茶を飲む。
なんてゆーか、最近の私は耐性がついてきたと思う。

はぁ…こんなことに耐性出来ても嬉しくないんだけどなぁ。

てか、眠くなってきた。


『んー…』
「?陽奈多?眠いのぉ?」
『ちょっとだけ、ね…』
「寝ててもいいよぉ?」


何時の間に私の前に来たのか、私の膝に座ったロードが私の首に腕を回してキスが出来る近さまで近づいて来た。


『ロード、近い』
「寝ないのぉ?」


私の話聞く気ないな。
そんなロードに呆れつつ私は欠伸をする。


「ベッドあるよぉ?」
『んー…じゃ、ちょっとだけ寝るね。ロードありがとう。』


ロードに一言断ると、私はロードが出したベッドに身を沈めた。


ロードSide

『ロードありがとう。』


その言葉に僕の体が喜びに震える。

大好きで大好きで大好きで、愛してる僕の陽奈多。

今までありがとうなんて言われたことなかった。
嬉しい、嬉しい嬉しい。
心の底から歓喜に満ち溢れる。

僕は僕が陽奈多に対してどんな酷いことをしてるか気付いてる。

僕の歪んだ想いを一方的にぶち当てて、陽奈多を困らせてるって。
でも、僕はこれからも止める気はないし、後悔もしてない。

だって陽奈多は僕だけのだもん。

それにノアと人間じゃ、生きる長さが違う。
陽奈多が僕と一生一緒にいてくれるって約束しても、僕の一生は陽奈多の一生の倍以上ある。
だから、今の陽奈多に僕をいっーぱい刻みつけるんだよぉ?

もし、もしも陽奈多が死んで生まれ変わっても僕に気がつくように。

死んでも解放なんてしてあげない。

ベッドで眠っている陽奈多に口付けると、陽奈多の首に顔を埋めて僕だけの印を作った。

真っ赤な華のような印。


「陽奈多、だぁいすきぃ。」


世界で一番愛してるよ。僕たちの光。

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