■ 百合フラグもダメ、絶対。

二人のいなくなった部屋で私と千年公は向かいあっていた。

それはいいけど、この沈黙どうにかしてほしい。
いや、よくないか。うん。
なんなの。これ。なんでこんな沈黙なの。
気まずくて困るわー。


「『あの、』」
「『…………………』」


うわぁぁあ!!
どこのお見合いしてる人たちだよ。
こんな気まずいなんて聞いてない。

てゆうか、前はもっとフレンドリーだったじゃん。
なんで今日はそんなシャイなわけ?
私、わっかんなーい。


「『あの、どうぞそちらから』」
「『…………………』」


…あれー。
この気まずさに私びっくりだよ。ねえ。


『あの、じゃあ私からいいですか?』
「は、はい!」
『………本当に千年公…ですか?』


いや、だって前と性格が全然違うんだって!
なんか気味悪い。てか不気味。

そして、そこで頬を染めたコイツは絶対に千年公じゃない。


「わかってくれたのですか…!」
『いや、あの。近いから。』
「私は変身能力を持つ【色】のノア。ルル=ベルと申します。」


私に顔を近付かせてキラキラとした目で見る綺麗な女の人。

あ。ヤバい。
これまた変なフラグだ。


「ずっと前に陽奈多様を見て以来お慕いしておりました…!」
『……………は?』


もういいよ。百合フラグは。
どんだけ立てたいんだよ。
てゆうか様付けって…
お慕いしてるって…


「私、陽奈多様のお側にいられるのでしたらこの命も投げ出す覚悟です…」
『いやいやいやいや。ちょっと落ち着こうか。うん。えーっと、ベルさん?』
「そんな…ベルじゃなくてルルと呼んでください。」


…………/(^p^)\
どうしてこうなった。
いや、ちょっと私も落ち着こう。
比較的この子はヤンデレじゃない気がする。

しかも、なんか命投げ出す覚悟らしいし頼めばここから出してくるかな。
まあ、そのあとはこの人置いてどっかに高飛びしよう。

え?酷い?…使えるものならなんでも使いますけど何か?


『えーっと、じゃあルルさん。私をここから出してください。』
「それは駄目です。」
『…………』


あは。出してくれないらしいよ。
即答だったよ。もうキャラ迷子だよ。


「陽奈多様がここからいなくなりになりましたら、陽奈多様はもう私とは一緒にいられなくなりますでしょう…?そんなことになったら私…」
『……………』
「陽奈多様を殺して私とずっと離れないようにしたくなりますもの。」


そう言い切ったルル=ベルはとてもいい顔をしていた。
うん。一番たちの悪いヤンデレでした。
きっと今の私は顔面蒼白だと思う。

ヤンデレ百合フラグとか…!

もう、私にどうなってほしいんだろう。

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