■ 誰にも渡さないボクのもの。

ロードSide

「なんだ?ロード今日は機嫌いいな。」
「あれぇ?ティキは人間と一緒にいるんじゃないのぉ?」
「千年公に呼ばれたんだよ。で、なんで機嫌いいんだ?」


ボクにそう聞くティキににやりと笑う。


「陽奈多がボクのこと好きって言ってくれたんだぁ」
「……そうか。」


陽奈多はボクの。
ボクが人間の中で唯一好きになった子なんだから。
家族と同じくらいお気に入り。
あ、それ以上かもしれないなぁ。


一番最初に陽奈多に会ったのは貴族のパーティーの時。
最初は、いつもニコニコ笑って媚びを売る陽奈多には興味なかった。

でも、学校でいじめられてもニコニコしてる陽奈多に興味出たんだよねぇ。
それで、陽奈多のこと見てたら見っちゃったの。

陽奈多がすっごく口が悪いところ。

面白いよねぇ。
だってせっかく美人なのにうぜぇとか言ってたんだよぉ?


で、陽奈多を好きになったのはボクをあいつらから庇ったとき。

その時、陽奈多は人間に呼び出されて虐められてた。


「あなた男を誑かしてなにが楽しいのかしら?」
「あなたって本当に男好きよね!」
「ほんと、ほんと!あなたはキャメロットさんとでも一緒にいたら?頭のおかしいもの同士きっとお似合いよ!」


別に、人間なんかに気味悪がられたって、恐れられてたって、どうでもいい。

だってボクはノアだから。
愚図で、弱くて、気持ち悪い人間なんか嫌いだもん。

でも、陽奈多は違った。


『まあ、それは名案ですわ。でもね、頭がおかしいは心外よ。キャメロットさんにも失礼だわ。私はなにを言われてもいいけど、ここに他の方は関係ないんじゃなくて?』


そう言う陽奈多はすっごくキラキラしてて、
いつもニコニコしてる顔は怒りからか顔が歪んでいる。


僕はそれを見て泣いた顔も見てみたいなぁって思ったんだ。


「陽奈多ー!僕のこと好きだよねぇ。」
『あーうん。』
「僕も大好きだよぉ?」


だからずーっとずーっと一緒にいてねぇ。
ボクだけの宝物。ボクだけを愛してね。


あ、そういえばティキの様子が変だったけど大丈夫かなぁ?



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