■ すべてに夢落ち希望。

『んん…』

あれ…?夢…?

私が目を覚ますとベッドの中だった。
ん?なんでだろ?あれー?

昨日は確か…あー…うん…
いきなりアレンのヤンデレが覚醒したんだよね…

ベッドの上で頭を抱える。
あれ?でも、なんか夢?え?夢、かなぁ?


『いっ…』


夢落ちだと思い、ベッドから飛び跳ねるようにして下りれば首筋のあたりがチクリと痛んだ。


『夢じゃ、なかったんだ…』


鏡を見てみれば、私の首筋には噛みつかれた痕がきっちり残っていた。
夢じゃないのか。もう意味わからん。

なんで、私がキャラのヤンデレに遭わなくちゃいけないの。
私はただ金持ちニート生活したいだけなんだけど。


『はぁ…』

とりあえず学校行こう

憂鬱で仕方ない身体を動かして学校に行く準備を始めた。





あぁ、学校にもヤンデレがいたんだっけ。
屋上でヤンデレに絡まれながらボーッとそんなことを考えた。


「ルーチェぇ、それなぁに?」
『それ…?』


ロードはあの、私の元友達を半殺しにした目で私の首元を指しながらそう問いかける。
一瞬動きが固まってから私は急いで首元を手で覆い隠す。
ヤバい。隠すの忘れてた。


「なんでぇ?ボクの。ボクのルーチェなのにぃ…誰?誰がそんなことをしたのぉ?ねぇ、誰にやられたのぉ?ルーチェぇ。」
『いや、あの、これは…』


咄嗟のことで私は焦る。

いや、だってアレンが死んだらアクマたくさんでそれこそ死亡フラグじゃん。
あぁ、でもロードでも私死亡フラグなんだけど。


「………ふーん。ルーチェはソイツのこと庇うんだぁ。あはは!わかった。ねぇ、ルーチェはボクのこと嫌いぃ?」
『っ…!嫌いじゃないですわ』


私にそう聞くロードの目はイっていた。
だって目が濁ってるもの。

マズイ。これはマズイ。私の命の危機。


「じゃぁ、なんで、ルーチェはボクに隠し事してるのぉ?」


まるで恋人のように私にそう問い詰めるロードは本気で恐かった。

しかも隠し事?私、そんなのないけど。
あ、親死んだわ。


『…私の両親がなくなったことですか?』
「死んだのぉ?」
『えぇ…』


アクマのせいでね。
おかげでアレンにはヤンデられるし、最悪でしたよ。

そんな言葉は私の胸のうちに隠しとくけど。


「ふーん。あはは!嬉しい。これでルーチェはボクとずうっと一緒だぁ。でもねぇ、ボクが言ってるのはそういうんじゃないのぉ。」
『は、』


ロードをそう言うと私の首筋にあった傷に爪を立てた。


『いっ…!』
「ボクが言ってるのは、ルーチェはルーチェじゃないのになんで教えてくれないかってことぉ。それにいつになっても敬語だしぃ…」


私が痛がっているのを無視するように傷口をグリグリと触りながらロードは話す。

私はロードの言葉に驚きつつも痛みのせいで答えを返すことも出来ず、立っていたはずの足は痛みから立つことが出来なく膝をつくけどロードは傷を抉るように爪を深く差し込む。


『あっ…あ、ぁ…』
「ボクのなんだよぉ。ルーチェはボクの。だからね、ずっと一緒にいようねぇ。」


痛みでチカチカとなる中、ロードの言葉を聞いた私はヤバい死亡フラグ駄目、としか思えなかった。


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