■ ヤンデレフラグが防げてない、だと…?

なんでだ。どうしてこうなった。
私はただ金持ちニート生活をしたいだけなのに。

私に用事があるというアレンは私の部屋まで半ば押しかけるように入ってきた。
勝手に自己紹介もしてさ。
やんわりと断ってるのに入ってきたからね。
もうやだ。

仕方なーく、本当に仕方なく私は自分の部屋にあるソファーを勧めて話を始める。
すると、アレンは私の死亡フラグをばっちし建ててくださりました。
えぇ、えぇ。それはもうばっちしと。


『私にエクソシストの可能性、ですか…?』
「はい。なので、黒の教団に来て欲しいと…」


なんでだよ。私はエクソシストありえないからね。
黒の教団なんて死亡フラグアンテナばり三つだよ。
ふざけんなよ。このヤロー。

てゆうか、両親なくしたばっかりの可哀想な少女になんつーこと言ってんの。


『どうしても、行かなくはなりませんか?私、頭が回らなくて、……うぅ…』
「!そ、そうですよね…ご両親を亡くしたばかりですからね。」
『っ…ご、ごめんなさい…泣いてばかりいても何も始まらないですわよね…』


ふはっ!私の演技はパーフェクトなんだよ!
転生してからお嬢様演技やってきた私をなめるなよ!
……うん、ごめん。私、自分のキャラ見失ってる。


「では明日の夕方、またここに来るので…」
『はい…わかりましたわ。ウォーカーさん、ありがとうございます…』
「いえ、なんの力にもなれなくてすみません…」


内心ほんとだよとか思いながらもお嬢様らしくにっこりと大丈夫ですわ、と答える。
すると、アレンはいきなり私を抱きしめてきた。

…いやいやいや。なんでだよ。
なんでアレンとのフラグが立ってんのよ。


『あの…、』
「…………い、」
『は?』
「食べたい、」

ぞわっ

私の背中を何かが駆け抜ける。
アレンの腕から逃げようとしたけど男の人の力には敵うわけがなくびくともしない。

それどころかアレンは私の首に噛み付いてきた。


『いっ……!』
「はっ…」


なにこれ。なにこれ。
めっちゃくそ痛いんですけどぉぉおぉ!
ガチで涙が出てきた。

そんな私を無視したようにアレンはにっこりと笑う。


「僕のものになってくださいね。」


それは疑問じゃなくて断定の言葉じゃないんですか。先生。
そしてアンタもヤンデレか。

そんなことを思いながら私の意識はだんだんと薄れていった。


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