どちらさまですか?


お姉さんの名前はかすがというらしい。
なんだ。美人って名前も美人なんだ。

で、かすがさんいわく、オレンジ色の迷彩が猿飛佐助で、なんかカブトみたいのを被ってた人が風魔小太郎って名前らしい。
うーん、なんか聞いたことある。けど、わからないや。


『かすがさんまだ痛いとこありますか?』
「いや…今は痛みがひいてきている。」
『じゃあ、また痛み止め持ってきます。たぶん、そろそろ眠くなりますから。おやすみなさい。』
「あぁ…」


かすがさんに痛み止めの薬を飲ませてから、私は猿飛さんと風魔さんの寝ているとなりの部屋に向かう。
すると、すでに風魔さんの方が目を覚ましてこっちを見ていた。


『……』
「………」
『…………』
「………」
『…?』


なにもしゃべらない風魔さんに首を傾げる
なんでなんもしゃべらないんだろ。
…どうでもいいや。
そう思って風魔さんにおにぎりを持って近付いた。


『これ、ご飯です。お粥のがいいですか?それともお腹空いてないですか?』


私がそう言うと、風魔さんはフルフルと首を振ったあと、おにぎりを食べる。
風魔さんは春日さんと猿飛さんよりも軽傷だったから、もう起き上がれるみたいだ。


『あ、傷の痛み止めです。おにぎりを食べたらこの薬を飲んでください。』
「(コクン)」


何故か行動で私の言葉に答える風魔さんに頭を傾げながら、私は猿飛さんの怪我の様子を見る。
猿飛さん、怪我治ってきてるみたいなんだけどな。なんで目が覚めないんだろ。
無理矢理起こそうかな。

ビヨーンと猿飛さんのほっぺを伸ばす。
でも起きない。
ぷにぷにと猿飛さんのほっぺをつつく。
でも起きない。

のしかかりでもしようかな、と思った時、私の身体は風魔さんに抱き上げられた。


『?なんですか?』
「(フルフル)」
『んっと、風魔さんを助けたのはモロです。』
「(フルフ……ペコ)」


言いたいことがよくわからなかったので風魔さんを助けた子を教えてあげた。
すると、ぺこりと頭を下げられた。

あれ?

『風魔さんはしゃべれないんですか。』
「(コクン)」
『そうでしたか。あと、おろしてください。』


私がそう言うと風魔さんは下ろしてくれた
すると、猿飛さんのほうから呻き声が聞こえたので猿飛さんに近付く。


『猿飛さん大丈夫ですか?』
「ぅう…、」
『猿飛さーん?』
「う、ん…?」


あ、目が覚めた。
猿飛さんは目が覚めると、じーっと私を見て、いきなり動こうとした。


『あ、動いたら傷広がります。あと、おにぎり食べますか?』
「………は?」
『?』
「…な、んで俺を助けた、の?」


その言葉に頭を捻る。
なんで助けか。

そんなの、

『そこにいたから。』


そこにいなかったら助けないし。

その言葉に猿飛さんはポロッと涙をこぼした気がした。


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