私一人で山を歩いちゃダメなんですか?


そんな三忍を拾ったのも今ではいい思い出

私は今日も今日とて熊のプーさんと一緒に山の中を散策していた。


「要!」
『あ、かすがさん。』
「お前はまた一人で勝手に出歩いたのか…」


傷が治ったあと、何処にも行くあてがないらしい三忍はここに住むことになった(きっと仕事を首になったのだと私は読んだ)
あ、でも小太郎さんは仕事があるとかでたまに山から出てお土産を買ってきてくれることがある。ありがたやありがたや。

でも、かすがさんも佐助さんもなんか過保護すぎる。山の中も私一人じゃ危ないから歩いちゃダメって…
プーさんいるから平気だと思うけど。

あと、私の手から氷やら火やらが出るのはバサラというらしい。やったね。ひとつ賢くなった。で、それは珍しいからあんまり見せちゃダメって教えられた。

とりあえず、私が今することは目の前にいる目を釣り上げて怒ってるかすがさんをどうなだめるかだと思う。


『でも、かすがさん。プーさんとちゃんとお出かけしてるから大丈夫ですよ。』
「ダメだ。もしものことがあるだろう。」


うーん、プーさんがいても危ないもしものことってそうそう起こらない気がする。
ボーッとそんなことを考えていると、かすがさんにお姫様抱っこをされた。
そして気付いたら私はもとの家に帰ってきていた。さすが忍者クオリティ。すごい


「あ、かすがおかえりー。要ちゃん、連れて帰ってくれたんだね。」
「当たり前だ。誰にものを言ってる。」
「それより、いつまで要ちゃんのこと抱いてるの?」
「別に私の勝手だろ。」
『あの、私を間に挟んだまま喧嘩するのやめてください。』


かすがさんと佐助さんは私を挟んで険悪な雰囲気を醸し出す。なんでだろう。てか、早くおりたい。


「かすが、それはダメだって。」
「ふんっ。私の勝手だろう。」
『(早くおりたい。)』
「ふーん、俺様に勝てると思ってるの?」
「お前こそ私に攻撃したら要に当たるぞ?」
「俺様がそんなヘマするわけないじゃん」
『とりあえず、お腹が空いたんですけど』


ぐ〜と鳴るお腹を抑えながら一触即発な雰囲気を出す二人に報告する。
すると、二人はすぐさまハッとした顔をしてご飯を出してくれた。
ホカホカのご飯に新鮮な焼き魚。それに椎茸の入ったお味噌汁。ちなみにお米とお味噌は自家製だ。椎茸はそこらへんにあったものです。


『いただきます。』
「はい召し上がれ。」


パクリ、一口食べる。
美味しい。すごく美味しい。佐助さんの作るご飯はすごく美味しい。こんな美味しいご飯初めてなのですごく嬉しい。
佐助さんたち拾ってよかった。
だって美味しいもん。


『かすがさん、おいしーね。』
「「(かっ、かわい…!)」」


そんな日常。


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