山南と土方が大阪に立った。
何故か私もそれについて行かされた。
まぁ、それは特になにもないまま終わったからいい。
しいていうなら、途中山南が斬られたことくらいだろうか。
それも、あまり身体に被害はなく、ただ安定にしてればいいだけらしいから大丈夫だろう。
問題は私がいない間に千鶴が新選組幹部と飯を食べるようになっていたことだ。
正直、少しさみしい。
だが、そうも言ってられない。
最近の、巡回でイヤな気配を感じた。
私と同じ種類のやつがいる気配。
そいつらが千鶴を狙っているのだとしたら、守らなければならない。
私の大切な宝を。
千鶴を。
私の愛おしい人。
「ねぇ、鈴之助くん。」
『…またあんたか。なんのようだ。』
ギロと沖田を睨みつける。
あぁ、うっとおしい。
そんな気持ちをこめて睨みつけても沖田はニコニコと笑う。
「千鶴ちゃんって、君の、なに?」
『…お前には関係ないだろう。』
クルリと方向転換して、私はその場を去ろうとする。
しかし沖田が私の肩を掴み、壁におさえつけたせいで、それはかなわなかった。
『な、に、するんだ。』
「じゃぁ、僕がもらってもいいよね。」
『っ、ふざけるな!千鶴は私の……んんっ!!??』
カッとなって私が叫ぶ。
その瞬間、私の唇が沖田のもので塞がれた。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持い!!!!!!!
自由の手で沖田の身体をはがそうとする。
しかし、抵抗は意味をなさず、私の手は上で一つにまとめられた。
悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい!!!!!!!!!!!
さらに深くなっていく口付けに涙を零す。
弱い自分が恨めしい。
こんなのでは、千鶴を護ることすらできない。
『…ふっ、』
「……っっ!」
ガリッと沖田の唇を思いっきり噛む。
口の中に広がる血の味に顔を顰めつつ、私は口に酸素を取り込んだ。
『はっはっ…、』
「ひどいなぁ。鈴之助くん。僕の唇噛むなんて。」
『貴様…!なにをする!』
「なにって…、口付けだよ?」
平然とそう言ってのける沖田に殺気を込めて睨みつけた。