『千鶴。』
「!鈴之助さん!おはようございます!」
『あぁ、おはよう。』


ニコニコ笑いながら、私に挨拶をくれる千鶴が愛おしい。

そんな気持ちから自然と笑みを零す。


「あ、今、鈴之助さん笑った!」
『ふふ、笑みを見せるのは千鶴にだけだ。』


私の言葉に千鶴は顔を赤く染める。

純粋で綺麗な彼女と血に濡れた汚い私。
正反対の私たち。

そんなことを考えていると、頬に暖かいものを感じた。


『千鶴…今…、』
「えへへ…、最近鈴さんと触れ合ってなかったから…」


悪戯っ子のように笑う千鶴にちょっと顔が赤くなる。

千鶴に口付けをされた頬に触れながら、私も千鶴の頬に口付けをこぼした。


「ねぇ、鈴さん。」
『なんだ?』
「今日は非番の日?」
『…いや、今日は見回りの日なんだ。悪いな。』


そう言って千鶴の頭を撫でると、千鶴は首を振りながら笑う。


「大丈夫だよ。私、ちゃんと鈴さんのこと待ってるから。」
『あぁ。お土産買ってくるよ。』


千鶴の額に唇を落とすと、私は部屋を出た。


朝餉は食べない。
必要性を感じない。

私が所属している隊は斎藤一が率いる三番隊。
まあ、私には隊長が誰でも関係ないのだが。
私が一番大切なのは千鶴だから。


『………』
「…………行くぞ。」
『……はい。』


門の前で待っていると、斎藤が来た。
隊の何名かも後ろからついてくる。

私は、幹部と同じくらいの実力があることを証明しているので、扱いは幹部と同じだ。


それにしたって、巡回などくだらない。
こんなことをするヒマがあるのなら、千鶴と共にあの男を探しに行きたいというのに。


まったくめんどくさい。
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