▽ ずっと一緒、それは誰が決めた?
『マダム、痛み止めをちょうだい』
「…またですか?」
『ええ。最近、痛み止めがなくなるのが早くて。きっと使い過ぎね。』
クスクスと私が笑うとマダムはやっぱり泣きそうな目で私を見てきた。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
『トム!』
「アリシア、?」
『トム、私ね、トムと一緒にいられてすごく幸せ。』
「急にどうしたの?」
『ただ言いたくなっただけ。』
ふわり、アリシアは笑う。
その笑顔にリドルはだんだんと自分の気持ちが温かく、軽くなってきているのを感じていた。
「アリシア、おいで。」
『?』
ギュッとアリシアを抱き締める。
それは優しく包みこむように。
最初は利用するだけのはずだったアリシアがこんなに大事な存在になるなんて思ってもみなかった。
今じゃ彼女がいない生活の方が考えられない
『そういえばね、トム。私、さっきの授業で褒められたのよ。』
「そう。さすがアリシアだね。」
『ふふ、だって私はトムのモノだもん!』
そう言うアリシアの頭を撫でるとアリシアは最初はポカンと、徐々に顔が赤くなってくる。
誰が彼女をおとなしいなんて言ったんだろう。彼女はこんなにも明るいのに。
「アリシア、僕から離れるなよ。アリシアは僕のものなんだから。」
『…うん。私は、トムのものだよ。』
そう言うアリシアにすごく安心する。
だって彼女は僕のものだから一生離れることはない。ずっとずっとこの言葉で縛りつけてやりたい。
僕はアリシアがずっと一緒とは言わなかったに気がつかなかった。
『っ、』
「どうかした?」
軋む。私の身体中に痛みが走った。
あぁ、せっかくトムといるのに。
私の身体はポンコツなんだから。
『う、ううん。なんでもない。あ、私、ちょっとマダム ポンフリーに用事があったから、』
「体調でも悪い?」
『違うわ。ただ、いろいろ聞きたいことがあっただけよ。すぐに戻ってくるから!』
心配かけたくなかった。
苦しまないでほしかった。
トムがすきだから。愛してるから。
だから、私は今日も微笑みを絶やさない。
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