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  愛の定義



俺から、この里から逃げたヒナタ。
俺は絶対許さねェ。

この世で唯一、俺が望んだ。
どんな手を使っても、見つけ出す。


「おい、ナルト。お前、いい加減休んだらどうだ?」
「うるせーよ。」

「死ね!!」


俺に向かって苦無を刺そうとする無謀なカスを躱して、カスの苦無で逆に首を掻っ切る。


「てめぇが死ね。カス。」
「お前、SS任務何個目だと思ってんだよ…」
「何個だっていいだろ。」
「それに付き合わされる俺の身にもなれよ…めんどくせー。」


そう言いながらも、付き合うシカマルはいいやつだと思う。

が、それとこれとは別だ。


「しょうがねぇんだろ。俺も気が立ってんだよ。このままじゃ、里のやつら殺しちまう。」


ヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタヒナタ。

俺のヒナタ。

あぁ、あんな男最初から殺しちまえばよかった。
あんなヒナタに傷をつけた男。

いや、それより最初からか。
最初から、ヒナタと俺以上に濃い繋がりなんて要らなかったのか。

ましてや、血の繋がりなんてつまんねぇもん、皆殺しにしちまえばよかった。


「……ナルト、お前ぶっそうなこと考えてんだろ。」
「あ?んなことねぇよ。ただ、日向なんて皆殺ししちまえばよかったな、と思ってただけだ。」
「…それを世間じゃ、ぶっそうなことって言うんだよ。」


グサリグサリ、何十人、何百人もいる敵を殺しながら、そんなことを話す。

ぶっそうなこと?
自分の女を手に入れたいと考えてることがか?


「普通だろ?俺にはヒナタがいればいいし、ヒナタにだって、俺だけいればいい。」


はぁ、シカマルが一つため息をついたのがわかったが、俺には意味がわからなかった。


だって、そうだろ?

俺には血の繋がりがない。
ヒナタには血の繋がりがある。

不公平じゃねぇか。

俺とヒナタは平等に愛を紡がなくちゃいけねぇんだよ。

そう嗤った俺に、恐怖した敵の忍を容赦無く殺した。

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