籠の中の鳥は幸せになった
寄り添う二人の男女。
男は女の身体に腕を回し、女はそれに幸せに満ちた笑顔で笑う。
『ね、ナルトくん。』
「なんだ?」
『あのね、私ヒナタになってよかった。』
彼女は自分の腹を男の手を掴みながら優しく撫でる。
彼女の中にはもう一つの命が宿っていた。
「オレも、アオイがいてくれて幸せだ。」
『ねぇ、ナルトくん。』
「ん?」
『ナルトくんだけを愛してるからね。浮気しちゃヤダよ?』
「オレもだ。浮気なんてぜってぇしねぇよ。」
その言葉を聞いてフワリと微笑む彼女は、自分の家からもう一生出ることはなく、ずっと決められた部屋で男だけを見て、過ごすことが決められていた。
それでも、彼女は幸せで幸せで、彼がいれば、いるだけで、幸せだった。
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