太陽 | ナノ


  でも、それと同じくらい彼がすき


「なぁ、ヒナタ。お前、今まで何処にいたんだ?」
『っあ、』


ゆっくり、一歩一歩、彼は座り込んでいる私に近付く。

それがなんだか怖くて、思わず後ずさった。


今まで恋い焦がれた人がいる。
でも、何故か私は彼が怖くて、

私の涙は止まらない。


『な、ると、く、』
「あぁ、なんにも言わなくていい。」
『んんっ、』


そうナルトくんが言葉を言ったとたんに、ナルトくんと私の距離はゼロで、

私は彼にキスされていた。

長い間、何度も何度も角度を変えて彼は私に口付けを落とす。


『ふ、はっ、んん、』
「……ん、」


それが苦しくて、わけがわからなくて、
酸素が欲しくて口を開ければ、舌をいれられて、さらに強く求められる。

頭がボーッとする。
目の前には彼の顔が広がる。

やっと離れたと思ったら、私の身体は痺れていて、


『ど、く、?』


ジワリと、身体の芯が痺れる。
手も動かせないし、呂律が回らない。


「だって、そうでもしなきゃヒナタは逃げるだろ?」


ゾクリ、戦慄が走る。

動けない私の頬を撫でながら笑う彼。

恐い、恐ろしいはずなのに、
彼がすき。すき、だと私のすべてが訴える。


「なぁ、あいつらが言ってたアオイって誰だ?」


目が笑っていない彼は私の頬に手を滑らせながら、そう言葉を放った。



prev / next

[TOP]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -