自分のすべてが汚い
ガハッと口から出るたくさんの血。
あぁ、なんて汚い血。
自分が倒れていくことがまるでスローモーションのように感じられた。
私が【識っている】原作通り、中忍試験が始まった。
シノくんとキバくんと私の、三人で一班として紅先生に推薦された。
私に、断る理由なんてなかった。
順調にことは進んだ。
一次試験も二次試験も。
死の森でみた我愛羅くんは怖かったけど、やっぱり原作通り私たちを無視して先に行ってしまった。
途中で、彼の中にある尾獣の気配がしたから、そっちも原作通りだったんだろう。
そして始まった三次試験。
日向ネジとの対戦だった。
なんでかは知らない。
でも、私は原作のヒナタより数十倍は強い。
だって、ネジの攻撃が読み取れるもん。
『……くだらない。』
「なんだと?」
ポツリと呟いた言葉はネジの耳に入ったらしい。
私とネジの動きが止まった。
『もう、死にたい…』
「?なんと言った。」
やだやだやだ、なんで私がこんなことしなくちゃいけないの?ねぇ、なんで?私はヒナタなんかじゃない。ヒナタじゃないのに。私を呼んで。私の名前を呼んで。私が存在してるって。私の存在意義をちょうだい。ねぇねぇねぇ。
「…来ないなら、こちらから行く!」
私の目も点穴を写す。
ただ、それを誰にも言っていないだけで。
だって、ヒナタでもアオイでもない私はなんなの?
ヒナタじゃないなら生きてる価値なんてなくなっちゃう。
ネジの攻撃が私の点穴を塞ぐ。
徐々に息が苦しくなってくる。
あぁ、このまま、
『死ねたらいいなぁ……、』
そう呟いた瞬間に私の鳩尾にネジの攻撃が決まった。
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