太陽 | ナノ


  だって、こんなにも好き


なんで、そう呟くように言った私に、彼はますます笑みを深める。


「なんでって…アオイはオレのこと愛してんだろ?なら、問題ねぇじゃねぇか。」
『でも、だって、ナルトくんは、「サクラのことなら好きじゃねぇよ。」


私の言葉に重ねるようにそう言い切ったナルトくんに驚いて、目を丸くして彼を見る。

すると、彼は私の首にスルリと手を這わす。


『んっ、』
「…なぁ、なんでオレがサクラサクラ言ってたかわかるか?」
『……?』



その言葉にわからないと首を傾げる。
でも、次の瞬間紡がれた言葉ですべてがわかった。


「オレだけが、こんなにアオイを好きなのは不公平だろ?」
『っ、』


そう言い切って私を押し倒す彼の瞳は歪みきっていて、

あぁ、彼は私のことを好きでいてくれたんのだ、と漠然とそう思うことしかできなかった。

彼の唇が、舌が、手が、私の体に触れる。

私の瞳に唇に頬に胸に、お腹に、太ももに、足のつけ根に、


私はそれを黙って受け入れる。
だって、彼をここまで歪ませたのは、ヒナタじゃない。私が、アオイが原因だと思うから。

私は歪みきってって、彼に対する想いも、存在も、きっとこの世界では本当は必要がなくて、

私の歪みが、彼を歪ませたの…?


「なんで、泣いてんだ、?」
『…ぇ、?』


手で触って確認してみると確かに瞳は濡れていて、なぜだろうと首を傾げる。

わからない、わかりたくない。
本当は、


『なるとくっ、ごめ、ごめんねっ、』


私がいなければ、彼は純粋なままでいられたなんて。


「なんで謝るんだよ…!」
『だって、私がいたから…!ごめんねっ、ごめんなさい、私なんていなければ、っ、』


言葉が言い終わる前に彼に唇を塞がれる。
ボヤける瞳で彼の顔を見れば、彼は泣きそうな瞳で私を見ていた。


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