人形劇 5


仁王ちゃんと屋上でご飯を食べて一休み中。
今日はいじめを受けるためにずっと仁王ちゃんと移動してみた。
それにしても、


『仁王ちゃん。』
「なんじゃ?」
『んー、なんかつまんないね』


私の言葉を聞いて仁王ちゃんは息を呑む。
別に仁王ちゃんのこと言ったわけじゃないんだけどなー。


「そ、れは、俺のせいか、?」
『あはっ、それは違うよー?あの子たちが意気地なしなのかなぁ。私のこと睨むならイジメてくれればいいのに。つまんないなぁ。楽しくない。』
「そうか、」


仁王ちゃんは安心したように笑う。
…なんか仁王ちゃん私の言葉に左右されすぎだよね。
将来が心配だー。


『あ、もうすぐ授業だ。仁王ちゃんも行こっ!』
「名前ちゃんと離れるの嫌じゃ。」


そう言って仁王ちゃんは後ろから私を抱きしめる。

仁王ちゃん…
私がいなくて生きていけるのかな…?


『とにかく行こー?私、勉強はちゃんとするって約束してるんだから!』
「?誰とじゃ?そういえばなんで名前ちゃんは一人で暮らしてるんじゃ?」
『あれ?仁王ちゃんに言ってなかったっけ?』
「聞いとらん。」


あれー?私、言った気がしてたんだけどなぁ。
私もとうとうボケか。


「話してくれんの?」
『家でねー?とりあえず教室戻るよ!』
「ん…」


とにかく仁王ちゃんに教室戻るように促す。
てゆうか今思ったらどっちにしても仁王ちゃん休み時間も教室に来るじゃん!
なにがいやだったんだよぅ。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


教室に戻るとみんなが私を見る。
あはっ、おもしろーい!!!!
んー、でもまだまだだよねぇ。
もっといじめ!っていうのを感じてみたいよぅ。


「谷津原さん。」
『なぁに?柳生くん。』


そんな私に話しかけてきたのは元・仁王ちゃんのパートナーの柳生比呂士。
バルス!って言いたくなるよねぇ。


「なんで仁王くんとなんか一緒にいるんですか?」
『えー?駄目なのー?てゆうか、関係ないじゃん!あはは!』
「っ、関係はありませんけど…!仁王くんは雪さんを襲った最低な方なんですよ!」


それに私はピクリと身体を揺らす。
柳生比呂士はそれに気づかずに話し続ける。


「それに、雪さんに私たちの悪口などを話していたんですよ!それも知らないんですか?!」
『あはは。うるさいなぁ。』
「え、」


ムカつく。私、自分の仲間を信じない人って嫌いなんだよね。
大っ嫌い。

私は無表情で席を立つ。


『ねぇ。私、今とってもイラついてるんだよね。てゆうか、アンタに関係ないじゃん。私が好きでここにいんの。私に指図するやつは許さないよ?だいたい誰が夏岡の味方だって言ったの?私はいつでも自分だけの味方。私が好きだと思ったやつにしか私は味方しないよ。例えそいつが黒でもなんでも。私には関係ないことだし。あーあー。本当。イラつく。あと、柳生比呂士はなんなの?仁王ちゃんとは友達じゃ、仲間じゃなかったの?』


そう言い切ったとたん、衝撃が身体を襲った。


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bkm
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