人形劇 2


『今日から立海テニス部マネージャーになる谷津原名前です!よろしくね!ちなみに趣味はアニメ鑑賞とお昼寝!嫌いなものは退屈なものだよ!』


ニコニコ嗤いながら自己紹介をする。
隅の方にぼろぼろな仁王ちゃんがいたのはスルーしといた。
まっ、せいぜい愉しませてくださいね?
私のことを虐めて虐めて絶望させてくれるの愉しみにしてるんだから!


「では、谷津原は雪に仕事を教えてもらえ。」
『うい!りょーかーい!よろしくね!夏岡ちゃん!』
「う、うん。よろしくね。」


夏岡はそう言って私に笑いかける。
私の性格に押されて戸惑い気味だったよ!
きゅぴきゅぴーん!嘘発見機です!
この子は私によろしくとか言っといてよろしくする気ないね!
私もないから別にいいんだけど!


「じゃ、じゃあ部室に行こっか。」
『あはは!よろしくー!』


嗤いながら言った私に夏岡は苦笑い!
これでよく今まで虐めバレなかったね!


「〜〜〜で、〜〜〜〜なの。わかった?」
『うむ?あ、了解だよーん!』


実は全然聞いてなかったなんてことないんだからね!
ちゃんと半分くらい…いや四分の一くらいは聞いてたんだからね!


「じゃあ、谷津原さんはタオルお願い。」
『おっけー!』


私と夏岡はバイバイなんて言って離れる。
離れた後、私は嗤いが止まらなかった。


『あははははははははははははははははは!!!!!……なにあれ。私が一番嫌いなタイプ。ウザいムカつく死ねばいいのに。仁王ちゃんも虐めてさ。虐めがバレないなんてあるわけないよ。そのうち、ぜぇーーーんぶバレちゃうんだから。あーくだらないくだらないくだらない。』


私あーゆー女が一番嫌い。
おどおどしながら男を手のひらで扱って。
なに?お姫様気取り?
ムカつくから私もお人形遊びしないとね!


「名前ちゃん…、」
『おろ?仁王ちゃんいたの?』
「さっき名前ちゃんが嗤ってる時からここにいたぜよ。」
『……あは!気がつかなかった!』


私の言葉に仁王ちゃんはショボーンとした顔をする。
いやーだって気がつかなかったんだもん!
あれ?一般人の気配もわからないなんて師匠にあったら怒られるな!


『で、仁王ちゃんどうしたのー?』
「雅治って呼んで欲しいなり。」
『(無視)で、仁王ちゃんどうしたのー?』


私はタオルなどを洗濯機にいれながら仁王ちゃんに話を聞く。
仁王ちゃんがプリッとか言ってたのは無視の方向で!


「ほんとに、ほんとに虐められて大丈夫なんか?俺、名前ちゃんがいなくなったら死んじゃうぜよ。」


そう言う仁王ちゃんの目は仄暗くて本気なんだって分かった。
でも、私はあえて明るく返す。
だって私が死ぬことはないし。


『あはっ!大丈夫!大丈夫!それに私は愉しむだけだから!退屈は嫌いなんだよ!仁王ちゃんも一人じゃないし一石二鳥!』
「ずっと、ずっとずっとずっとずっと俺と一緒にいてくれるんか?俺から離れん?一人は嫌、一人は嫌なんじゃ。」


そう言って崩れ落ちそうになる仁王ちゃんを抱きしめて赤ちゃんにやるように背中をぽんぽんとあやす。
仁王ちゃんはたまに発作みたいにこうなるからなぁー。
仁王ちゃんと会って…てか暮らして一週間も経ってないのに二十回以上はこうなってるよ。


『大丈夫だよ。雅治くん。私と雅治くんが離れるのは雅治くんが私から離れた時だけだから。ね?大丈夫でしょ?』
「本当か?絶対か?」
『んー。私がそう言って信じる?信じないでしょ?だから、雅治くんが実行してね。私から離れないでよ。私も実行するから。雅治くんから離れない。それでいい?』
「名前、名前名前名前名前名前。絶対に離れんから、俺を捨てないで。」
『りょーかい!』


それにしても仁王ちゃん。
精神的に危なくないか?





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