なんか、ヒッタイト王国のミタムン王女に因縁をつけられてしまった。


「貴女など、メンフィスさまには釣り合わないわ！」
『……ごめんなさい』
「あ、謝るでない！」
『……（では、どうしろと？）』


顔を赤くして、私につっかかるミタムン王女に困惑しながらも対応。
ただし、表情は真顔。


『私なんかよりも、お美しく、お綺麗で、教養もおありで、一国の王女。そんなミタムン王女さまのほうが、メンフィスさまにはお似合いですよね…』


とりあえず褒めちぎることにした。
なんか、いろいろめんどくさいもん。
てか、本当にミタムン王女って美人。
アイシスとは、また違った美人。


「な、なにを言う！そなたも充分綺麗ではないか！」
『そんな…ミタムン王女さまの美しさと可愛さに比べたら…私なんて、泥ですよ、泥。』
「そ、そんなに自分を卑下するでない！わたくしがそなたの美しさを認めているのだ。」
『そんな…』


なんだ、この王女さま。ただのツンデレか。

私をまっすぐ見ながらそう言った王女さまに、珍しくフワリと作り笑顔。すると、顔を赤く染めた王女さまに心の中でほくそ笑む。


『こんなにもお美しい王女さまに褒めていただけてとても光栄ですわ。王女さま、よろしければ私と…いえ、奴隷だった私が王女さまにこんなことを願うのは、あまりにも失礼でした。今のはお忘れになってください。』


しょんぼりとした顔を作って、視線を逸らす。
味方は一人でも多くいたほうがいいじゃない？
はい、そんな私は策士です。策士のはずなのに、何故かメンフィスの花嫁（笑）
（笑）じゃないよ、笑いごとじゃないよ。


「よい！わたくしが許す。そなたの望み、言ってみるがよい」
『でも…』
「わ、わたくしはそなたともっと話したいのだ！よいから、言ってみろ！」


いやん、ミタムン王女さまったら、本当にツンデレ。
メンフィス、ミタムン王女さまと婚約したらいいんじゃない？
そんなことを考えながら、手を胸の前で組んでミタムン王女さまの瞳を見る。


『私と、友達になってくださりませんか…？』
「な、」
『ああ、申し訳ありません。私なんかが、こんなことを望むなど、失礼でした。お忘れください。』
「ま、待て！」
『……？』
「友達とやらになってやろうではないか！」


よっしゃ。これでなにかあったら、ヒッタイト王国に逃げられるや。

にっこりと笑みを作りながら、考えるのはそれ。
え？誰が性格悪いって？

ただ近親相姦フラグをボキボキ追ってるだけじゃない。
悪くないよね、私。