時はさかのぼりナマエがマサラタウンを出た後ーー
レッドSide
ナマエがいなくなったことがわかってから俺とグリーンで空を飛ぶポケモンを使ってカントー中を捜しまわったけどナマエはどこにも見つからなかった。
ダンッ
「くそっ、」
グリーンはイライラしながら壁をおもいきり殴りつける。
力が強かったのか拳からは血が流れていた。
「……グリーン。」
「わかってる!」
そう言いながらもグリーンは荒々しく俺に言葉を返す。
グリーンの気持ちは痛いほど分かる。
だって俺もイライラしてるから。
なんでナマエは俺たちから逃げたの?
なんでナマエは俺たちを捨てたの?
なんでナマエは俺たちになんにも言ってくれなかったの?
ねぇなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで?
俺たちが甘かったの?
「…グリーン、俺たちが甘かったんだよ。甘えさせるだけじゃダメだったんだ。」
「奇遇だな。俺もそう思った。俺たちの気持ちを抑える必要なんてなかったんだよ。」
グリーンはそう言ってにやりと泣きそうな顔で嗤う。
きっと俺はいつも通り無表情なんだろうな。
そんな無表情な俺のことをナマエとグリーンはわかってくれた。
そんなナマエのことを俺たちが離すわけない。
「ジムリーダーを辞めてでも俺はナマエを捜す。レッドはとりあえずジョウト、ホウエン、シンオウの中でナマエが行きそうな場所を探してくれ。あぁ、一人では行くなよ。俺もすぐにジムをなんとかする。じゃあ頼むな。」
グリーンの言葉にこくりと頷く。
俺が頷いたのを確認するとグリーンはピジョットに乗ってリーグまで空を飛ぶで飛んで行った。
そんなグリーンを見届けてから俺は家にある地図を全部広げてナマエが行きそうな場所を捜し始めた。
俺たちは絶対絶対ナマエは離さない。
ずっと一緒にいるって決めたんだから。
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bkm